テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
青黒
今日は高校の入学式。
顔なじみのやつは周りに居ない 。
『あー、ほんまに緊張する…。』
『俺は…2組か。』
教室の前についたが、緊張して入りにくい。
『はよ来た意味ないな…w』
『…よし、頑張ろ…!』
勇気を振り絞って教室の中に入る。
もうすでにグループができているようだ。
『俺の席はここか…。』
『友達できるんかな…。』
前の席のやつに声をかけられた。
友達になれるチャンス、かと思いきや。
『…は?』
なぜか、手紙を渡されただけだった。
メモが添えてある。
一番前の端の席の人からです。
伝言か、と思いながら手紙を開ける。
そこには…
「貴方に一目惚れしました。」
とだけ書いてあった。
『え、は?ど、どいつ?てか俺男やし…!?』
聞いたことあるけど、男が男を好きになることは
男子校ではよくあることらしい。
でもまぁ、冗談の手紙だと思う。
ていうか男に好かれるのは気持ち悪いし…。
『…』
『にしても、なんで俺なん…?』
『ていうかまだ初日やで…?』
『あいつか…?』
一番前の端の席に座ってるやつを見てみる。
後ろ姿しか見えないが、大人しそうな雰囲気だ。
話かける勇気は無いのでそいつの目の前を通って
みることにしてみた。
『…!?』
『(こいつ顔整いすぎやろ…)』
「あ、あの…あのっ…!」
『え、な、なんや…?』
「好き、好きです、一目惚れしました…。」
『…は!?あの手紙冗談やないん!?』
びっくりしすぎてつい言ってしまった。
本当に俺に惚れてるらしい…?
『初対面で今お前と始めて会話したんやで?』
『好きになる要素ないやろ。』
本音をぶちまけてしまった。
男に好かれるのは初めてで何と言えばいいか分からなくなってしまう。
「…好きなんです。」
「可愛らしい顔立ちで、ギャップ萌えなほど 筋肉質な身体。」
「喋り方はとても可愛いのに声は男らしいとこ。」
「そして仕草一つ一つがとっても可愛いところ。」
「それに…。」
『あー、分かった分かった…。』
こんなに褒められるのはなんか照れくさい…。
しかも可愛いなんて初めて言われた。
かっこいいとか言われるかと思ってた。
男なのに可愛いなんて。
『…お前めっちゃ俺のこと好きやん。笑』
「そ、…うです…好きです…。」
なんか、こいつ面白そう。
『俺の名前、黒。』
「黒くん…!!」
『お前は?』
「ぇと、青です…。」
『ふーん、かっこええ名前やん。』
「えっ!?」
つい、からかってしまった。
『ははっ、冗談。まぁ冗談じゃないかもやけど。』
「えぇ…黒くん…!」
『あー、なんかくん付け嫌やわ。』
「な、なんて…呼べばいいですか…?」
『黒。』
「え、よ、呼び捨ては…!!」
『…んなら、あにきでええよ。』
『みんなにあにきって呼ばれとるし。』
「じゃ、じゃあ…それで行かせてもらいます…!」
なんだか青と話してても別に苦じゃない。
変に気も使わないし。
『…敬語も直さん?笑』
「さ、さすがに無理です…!! 」
『ええやん、タメ口で話そうや。笑 』
「む、無理です〜っ…!!」
こいつに好かれてるの、悪くないかも。
コメント
1件
今回も神作でした、、!!!