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____佐野勇斗side.
返事は来なかった。
それで終わりだと思うべきだったのに、 どこかでまだ終わっていないと期待している自分がいた。
数日後、舜太から短いメッセージが来た。
《安心し、仁ちゃん俺ん家におるから。
話す気あるんなら、一回ちゃんと会い》
胸が跳ねた。
同時に、怖くなった。
(拒絶されっかな、、当然だよな、)
それでも、行かない選択肢はなかった。
しばらく待つと、待ち合わせ場所に現れた仁人は以前より少し大人びて見えた。
『久しぶり、』
そう言う声は、驚くほど落ち着いていた。
「……ごめん」
それしか言えなかった。
『うん』
その一言で、少しだけ救われそうになった。
でも、続く言葉が、それを壊す。
『ごめん、戻れない』
はっきりと、区切るように言われた。
『勇斗の言葉、嬉しかった。 本当に後悔してるのも、分かった』
それでも、と仁人は続ける。
『俺は、あの日、あの時、一回ちゃんと壊れた』
胸が締めつけられた。
『また一緒にいたら、同じこと繰り返す気がする』
拒絶は、怒りじゃなかった。
静かで、冷静で、だからこそ重かった。
「……待つことも、許されない、?」
『待つって言葉が、もう怖い…』
それが答えだった。
____吉田仁人side.
会ってしまったら、きっと揺らぐと思っていた。
案の定だった。
目の前の勇斗はちゃんと後悔していて、ちゃんと苦しんでいて、それが痛いほど伝わってきた。
それでも、
『好きだよ、今も。勇斗を忘れたことはないし、未だに夢にさえ出てくる』
自分でも驚くくらい、素直な言葉が出た。
勇斗が息を呑むのが分かった。
『でも、好きだけじゃ戻れない。』
それが、今の本音だった。
離れた一年は、何も癒してくれなかったけど、自分を守る術だけは教えてくれた。
『時間が欲しい、、もし勇斗が本気で戻りたいって思ってるなら、、ちゃんと俺たちもう一度向き合おう』
それ以上でも、それ以下でもない言葉。
勇斗は、何度も頷いた。
to be continued…
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