レベル3 畠山 里香
後方からの電気自動車の唸り声がまだ聞こえる。 それはスピードを上げる音だった。私は必死に愛車のハンドルを握った。
「今度は、ぶつかる!」
尾田和良中央病院の帰り。何者かが電気自動車で、駐車場で私の愛車の後ろに突っ込んできた。必死に前進して、回避できたが、今は高速道路まで追いかけている。
時速はすでに160キロだ。
周囲の景色が猛スピードで後ろへと流れる。幸い交通量が少なく、空いた高速道路は私の愛車は逃げるのに専念できる。私は警告のアラームがうるさいほど車の速度を上げた。私はイチかバチか高速道路から下道へ降りた。Y県〇市の下道なら私は知っていた。とある建物があることを……。
そこへなら……。
もう、尾田和良中央病院からは10キロも離れていたが、冷や汗を拭ってアクセルを踏む。 だが、私の意識は激しい自動車同士の衝突音でぷっつりと事切れた。
(カギ……ネジ……エレベー……)
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