テラーノベル
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拘束が解かれたまま、ioはこの部屋に残された。こんなチャンスはきっと2度と無い。
逃げないと。この地獄から。
慎重に監禁部屋のドアを開ける。廊下の風化してがさがさになった床板が足の裏に刺さって痛い。靴を探した方がいいかもしれない。
幸い、ioの足よりも少し小さな靴を下駄箱から探し出せた。足が締め付けられて痛いが、及第点だろう。
おぼつかない足取りで窓を探す。玄関から馬鹿正直に出たら即バレるため、窓から脱出しようと思ったからだ。すぐ上の2階では連合軍等の足音が響いていた。
階段を降りる音が聞こえた。スニーカーの靴底が体重をかけながら床を踏む音。おそらく、アメリカだろう。
藁にも縋る思いで監禁部屋に引き返し、窓を確認する。
そこには小さな小窓があり、ちょうど抜け出せそうだった。椅子を足場にして小窓まで登り、手をかけて身を乗り出したその瞬間。
アメリカが部屋に入ってきてしまった。拳銃を片手に。アメリカは一瞬驚いた顔をして、その後すぐに薄ら笑いを浮かべながら拳銃を構えた。
アメリカ「You can’t escape!!逃がさないぜ!!」
火薬の弾ける音がして。火薬で莫大な推進力を得た弾丸は正確にioの太ももを貫いた。
「ぃぎぃ”ッ…!!」
歯を食いしばり、小窓へ体を捻る。そして、やっとのことで外の外気に全身が触れる。まだ外は夕方で、明るかった。夕方の森は落ち着いていて、精神的苦痛を和らげてくれた。どくどくと痛みの回る太ももを見て、弾丸が貫通しきっていることを確認する。…うん、ちゃんと貫通してる。走れそうだ。
そこからはあまりよく覚えていない。何度も転んで、その度に泣きながら起き上がり、走った。そのくらいしか覚えていない。辺りは薄暗くなり、街の街頭が灯りはじめていた。森の麓まで来たとき、よく響く低音の声を聞いた。
ソ連「イタ王!こっちだ!」
「ソ連…!?」
自然と身構える。ioは、ソ連に目玉を取られたことがあるんだから当然だ。
ソ連「大丈夫だ。俺は味方だ。」
「えっ…で、でも信用できないんね!!」
身長はioも高い方なのに、ソ連はそれよりもずっと大きい。2mは超えていると思う。そして、ソ連が無言でioの手を取った。
「えっ、ちょっ!!離すんねっ!!何する気なんね!?」
ソ連「静かにしてろ。アイツらに見つかるぞ。」
「うぅ…。」
ソ連は強い力でioを引っ張って、辺りを気にしながら何処かへ向かおうとしていた。
「っ…手、離してなんねっ…。(泣)」
ソ連「…ちゃんと着いてこいよ。」
ソ連が手を離す。でも、ここで逃げたりしたらioは酷い目に遭うかもしれない。ioはソ連に着いていった。
ソ連「安心しろ。ここなら大丈夫だ。多分。」
「多分って…。てか、そもそもなんでホテルに…?」
ソ連「アイツらは恐らく、自分達の信頼が落ちるような事はしない。だから、公共施設のホテルなどに泊まることでアイツらに襲撃される可能性が減るんだ。」
「…なるほど、なんね…。」
少し自慢げにそう語るソ連を見ていたら、意外と大丈夫な気がしてきた。ここからうまく逃げて、世間から気配を消せばまだ普通に生きられる気がした。
ソ連「…今日は俺が見張っておく。休んどけ。」
「、え、でも…」
ソ連「いいから寝ろ。」
「はい…」
朝、ホテル内に響く発砲音で目が覚めた。ソ連はうたた寝をしていて気づいていないようだが、どんどん発砲音が近づいて来ている気がする。
最悪な状況に、目眩がした。
肩を揺さぶって起こすと、ソ連は発砲音を聞いて目を見開いた。そして目を細めて頭を押さえ、
ソ連「…最悪だな…。」
と呟いた。
「これ…どうしたら…!!」
ソ連「取り敢えず、非常階段を使って降りよう。エレベーターは使ったらダメだ。」
「わ、分かったんね!」
「い”っ…」
ソ連「イタ王、どうした?…怪我か。」
「そうなんね…逃げるときにアメリカに撃たれて…」
ソ連「分かった。俺が背負う。」
「っえ?」
ソ連「よし、行くぞ。」
「えぇっ…!!」
ソ連は足が早かった。風を切る音が耳に響き、なんだか心地よかった。
非常階段を降り終わり、ホテルの外に出た。角を曲がろうとしたその時、
ナチス「よぉ。イタ王。」
ナチが血のついた銃を構えていた。
コメント
8件
まじで美味しい(?)これを見て無事昇天しました†┏┛墓┗┓†
ヤバいめっちゃ好きなんだが…!?ソ連さんイケメン過ぎるだろぉ…
ヤバいです。本当に、イタ王の絶望。そして…ソ連が来たぁぁ!! とんでもなく心強いですね。本当に。美味しいものをありがとう御座います。無理のない範囲で次回期待してます!