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『潤也side』
(……やべぇ、やりすぎたか?)
直樹の目が、日に日に曇っていくのがわかる。
怒ってるのか、悲しんでるのか、もう表情から読み取れなくなってきた。
「最近、直樹、冷たくね?」
部屋の中で画面と向き合いながら、ひとり言みたいに言った。
本当は全部、嘘だった。
映画も、遊園地も、何もかも。
「直樹と離れることになる」って言えば、少しは構ってくれると思った。
焦って、笑って、取り繕って――そのうち、俺まで何が本当か分からなくなってた。
(どうしたいんだ、俺は)
構ってほしいのは、俺の方だった。
だけど、弟に本音をぶつけることが、今さらできなかった。