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『直樹side』
夜。布団にくるまって、僕はスマホを見ていた。
兄貴とのLINE。既読スルーのままのメッセージ。
「明日も夜遅くなるかも」「彼女と電話するし」って、また言い訳みたいな嘘。
(どうしたら、いいか分からない)
本当は、兄貴に聞きたい。
“その人のどこが好きなの?”
“僕のどこが…だめだった?”
でも、聞けない。
そんなこと聞いたら、もう戻れない気がした。
今は、ギリギリの距離で保たれてる関係を、壊したくなかった。
「……兄貴、ばか」
声に出したら、少し涙がにじんだ。