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(( 白く無機質な天井を 、 ゆっくりと見つめる
(( カーテン越しの陽が 、 淡く顔にかかる
ﾋﾟｰ… ﾋﾟｰ…
((心電図のリズムが、病室に溶けるように響く
Ln. ……また今日も、生きてる。
((ベッドの縁に腰かけ、うなだれる))
((ふと、隣のカーテンが揺れた))
Hn. よっ、リノヒョン、生存確認
Ln. ……お前、また点滴サボってんのかよ
Hn. だってさ、ヒョンが寝てるときに始まるんだもん
退屈だから来たーって感じ？
Ln. 馬鹿か
医者に怒られろ
((ハンが笑いながら、ベッドの端に腰かける
Hn. でもさ、怒られてるうちはまだ大丈夫ってことだよね
ヒョン、最近さ……ちょっと静かすぎた
Ln. ……昨日、主治医に呼ばれてさ
正式に言われた。余命、二年もないって
((ハンの笑顔が、一瞬だけ凍る
((けれど、すぐに優しい目を向ける
Hn. ……そっか
ねえヒョン、それって──
Ln. 怖いよ、正直
昨日までは「まだ平気」って思ってたけど
はっきり数字で出されると、現実すぎて
((布団をぎゅっと握る手が、震える
Hn. ……怖い時は、俺に言っていいよ
ヒョン、強がりすぎるから
Ln. お前は……なんでそんなに優しいんだよ
俺のほうが年上なのに、いつも慰められてる
((ハンがそっとリノの手を握る
((指先は少し冷たくて、それでも温かい
Hn. リノヒョンが生きてるうちは
俺の時間、全部ヒョンに使いたい
Ln. ……バカ
Hn. 俺のバカは、ヒョンのためのバカだから
((ふたりの間に沈黙が落ちる
((でも、それは心地よい静けさだった
ｻﾞｱｱｱｱ…
((窓の外、しとしとと雨が降る
((ハンが車椅子を押して、リノを談話室まで連れてきた
Ln. ……雨、好きだな
晴れより、こっちのほうが落ち着く
Hn. わかる
リノヒョンって、どこか雨に似てる気がする
Ln. んだよそれ、また変な例え？
Hn. 静かで、冷たく見えるのに
ちゃんと心に届いてくる。あったかい雨
Ln. ……クサすぎて寒気した
((ハンが笑い、リノがそっぽを向く
Hn. あと一年
もしもそれが、ヒョンに残された時間なら──
最後の四季を、俺にくれない？
Ln. ……なんだよ急に
Hn. 春は桜見に行って
夏はかき氷食って
秋は葉っぱ踏みながら散歩して
冬は、一緒にクリスマスやろう
((リノが、しばらく黙って空を見上げる
Ln. ……そうだな
だったら、今年の春……お前と歩いてみたい
((Hn.がそっとうなずく
((その横顔に、涙がひとすじ、こぼれた
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