テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
kaede🍁
19,348
mg.side
撮影の休憩時間。
ふと見上げた向こうのソファで、にこにことあべちゃんは差し入れで頂いたクッキーを食べていた。
ab「おいしい…!」
あべちゃんは小さく呟いて、ふにゃっと柔らかく笑う。
そんなあべちゃんを見て、俺は思わず額を押さえた。
可愛い。
本当に可愛い。
本人は絶対に自覚していない、はず。
すっと、美味しそうににこにこと食べるあべちゃんの横に座ると、気がついたようで顔を上げる。
ab「あ、めめ」
その瞬間の笑顔。
俺のHPが、削られた気がする。
ab「どうしたの?」
「いや、別に 」
?、とあべちゃんは首を傾げる。
可愛い。
俺は心の中で、2度目のダメージを受けた。
ab「クッキー、食べる?」
俺が食べたい、そういうとあべちゃんが机に置いてあった袋からクッキーを取り出して差し出す。
「ありがとう」
ab「美味しいよ」
ふわっと、優しく笑う。
正直に言ってしまえば、クッキーの味はあまり分からなかった。
目の前に座るあべちゃんが可愛すぎて。
味が入ってこなかった。
ab「めめ?」
「なに?」
ab「ん、いや、なんか、今日優しい顔してるなぁって」
あべちゃんは不思議そうに言った。
自覚、がない。
俺は思った。
あべちゃんは、自分が人を幸せにしていることに気づいていないのだと。
「あべちゃん」
ab「ん?」
「今日も可愛いね。」
ab「えっ、」
あべちゃんがぴたっと固まる。
そして、だんだんと耳がじわじわ赤く染まっていく。
ab「…急に、なに?」
「ん?思ったから」
ab「思っても言わなくて良いじゃん」
「いや、いうでしょ」
俺がいうと、あべちゃんは少し困ったように笑う。
でも、その笑顔が可愛くて仕方ない。
ab「…めめってさ、」
「うん」
ab「たまに距離感バグるよね。」
「あべちゃん限定、だよ?」
俺が少し頬に触れて言うと、あべちゃんはとうとう吹き出した。
ab「限定、なんだ笑」
「当然」
俺にとっては、本当に当然だった。
あべちゃんはふわっと笑う。
そして、楽しそうに話す。
その後、少し眠そうに目を擦る。
そういう、あべちゃんとの何気ない会話が俺は好きで。
ab「今日も頑張ってるね」
不意にあべちゃんが言った。
ab「めめ、最近忙しいでしょ」
その声は、いつも通り優しい。
「大丈夫だよ、ありがとう」
ab「無理しないでね。」
そう言ってあべちゃんはまたふわっと優しく笑う。
あっ、すごいな。
あべちゃんの無理しないでね、っていうたった一言の言葉だけで、もうそれだけで疲れが吹っ飛ぶ。
ab「めめ?」
「いや、」
ab「?」
「好きだなぁと思って」
俺があべちゃんの目を見て言うと、あべちゃんの顔が一気に赤くなる。
ab「だからいつも急なんだってば!!」
そう言って慌てる姿までもが可愛い。
そんなあべちゃんを見て思う。
たぶん、これから先もずっと。
あべちゃんが笑ってくれるだけで幸せになって、
あべちゃんが俺の一言で照れてしまう度に、もっと好きになってしまうんだろうな。と。
fin.
コメント
10件
めっちゃ尊い……
素敵…✨✨✨🖤💚
