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韓国の大型音楽授賞式
眩しい照明と歓声に包まれる中、客席の一角だけ、少し違う空気が流れていた。
天羽そなは、控えめに背筋を伸ばしながら座っていた。
その隣には――ENHYPENのジョンウォン。
お互い、最初は軽く会釈を交わすだけだった。
でも、ステージの合間、ふとしたタイミングで目が合って、自然と笑ってしまう。
「さっきのステージ、すごかったですね」
小さな声で話しかけると、ジョンウォンも少し驚いたように笑って頷いた。
「ありがとうございます。そちらも…見ました」
ぎこちないけど、どこか柔らかい空気。
その流れで、最近流行っているダンスチャレンジの話になり、
「せっかくだしやります?」
と、半分冗談みたいに言ったのが始まりだった。
スマホを取り出して、こっそり2人で撮影。
周りにバレないように、肩を寄せて、小さく笑いながら。
撮り終わったあと――
「これ、どうやって送ります?」
連絡先は当然、交換していない。
一瞬の沈黙のあと、そなが小さく言った。
「…AirDrop、いけます?」
2人で画面を見つめながら、名前を探す。
少しだけ近づく距離。
その瞬間――
「すみません、撮影物は一度確認させてください」
突然、スタッフの低い声。
振り向く間もなく、スマホは静かに回収された。
さっきまでの空気が、一瞬で張り詰める。
「え、あの…」
「すぐお返ししますので」
形式的な言葉。
でも、その目はどこか鋭かった
それから数時間後。
授賞式は何事もなく終わった。
けれど、その裏で――
ある匿名アカウントに、動画と写真が投稿される。
タイトルは、ただ一言。
**「【流出】某授賞式での極秘接触」**
デスドル
暴露系で知られるそのアカウントは、容赦がなかった。
画面には、
こっそり笑い合う2人。
肩が触れそうな距離。
そして、AirDropの画面を覗き込む瞬間。
拡散は一瞬だった。
コメント欄は、憶測と批判と興味 で埋まっていく。
「これガチ?」
「距離近すぎ」
「連絡先交換してないの逆にリアル」
「誰が流したの?」
「授賞式で仲良かったのは見ててたけど」
その頃、そなのスマホには通知が止まらなかった。
画面を見つめながら、指が震える。
ほんの数分の出来事。
ただの軽い交流のはずだった。
でも、それはもう――
「ただの瞬間」ではなくなっていた。
情報:
AirDropで何かを共有していた“らしい”だけの段階
コメント欄(初動)
「え、AirDrop…?それだけ?」
「何送ったのか分からんの怖いんだけど」
「写真?動画?連絡先じゃないのが逆に気になる」
「いや連絡先交換できないからAirDropなんじゃないの」
「これ普通にその場で撮った動画送っただけじゃない?」
「でもなんでそれをわざわざ…?」
「距離近かったって言ってる人いるけどどのくらい?」
「その情報が一番欲しい」
「AirDrop=即プライベートって考えるの早すぎ」
「でも業界的にあんま軽くやるイメージない」
「スタッフに止められたってのが引っかかる」
「それな、ただのやり取りなら回収されないでしょ普通」
「いや逆に規制厳しいから止めただけでは?」
「韓国の現場だし普通にありそう」
「これだけで騒ぐの草」
「でも何も分からないのが一番モヤるやつ」
「ジョンウォン側から送ったのか、受け取ったのかで意味変わる」
「そこ重要すぎるのに情報ゼロ」
「相手誰なの?」
「女優らしいけど確定してなくね?」
「名前出てるけど確証ないの怖い」
「巻き込まれだったら普通に可哀想」
「AirDropって一瞬で終わるじゃん」
「だからこそ“その瞬間何してたか”が気になる」
「別に悪いことしてなくね?」
「でもバレたら面倒なやつではある」
「これ以上情報出るまで何も言えん」
「でも絶対追加来るでしょこういうの」
「デスドルがこれだけで出すとは思えない」
「絶対まだ何か持ってるよな」
「むしろ何も出ないでほしい」
「これ以上荒れるのしんどい」
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