朝、私はいつものように今朝の新聞を広げた。
見出しには、見慣れたビルの裏路地と梵天の画像が貼られていた。
『来ちゃったかぁ…』
私は絶望した。
気だるい中出勤の用意を済ませ、
『いってきます。』
と、家をあとにし
そして会社へと向かった。
〜武装探偵社内〜
与謝野先生「こりゃ酷いね…」
国木田「ついに来たか…」
『おはようございま〜す』
賢治「おはようございます遥奈さん!」
『あれ、みんなどうしたの?』
賢治「皆さん梵天関連のニュースに釘付けなんです。」
『ホントだね…与謝野先生も国木田くんも…あれ、敦くんは?』
会社のシフト表に敦くんは【出勤】になっているのに見当たらない…
賢治「仕事で外に行ってます!」
『そう、ありがとね!んじゃ私は仕事しよ〜』
賢治「ニュース見なくて良いんですか?」
『うん。新聞で朝見てきたからね。』
賢治「そうですか!なら良かったです!テレビの前に人が増えると大変なので!」
『そうだね〜アハハハ…』
賢治くん思ったより残酷だよね…毎度思うケド
えーっと、今日の仕事は…あった!まとめて報告ジャー!
数時間後…
『デキタァーァァァァァァァァ』※伸びてます
残りは…あれ、全部終わらせちった…まぁ午後で増えるだろ。うん。
にしても、まだ敦くんが帰ってきていないな…
う〜ん…
…なんか嫌な予感が…
『国木田!』
国木田「どうした!」
『敦くん遅くなぁい?!』
国木田「確かにな…いつもなら一時間もすれば帰ってくるんだが…」
『そこで私、何か嫌な予感がするのであります』
国木田「それで、仕事を抜けたいと?」
『そこが目的じゃないわ。太宰じゃあるまいし』
国木田「確かにな…」
『それに今は梵天が横浜で暴れているし、鏡花ちゃんを連れているとはいえ心配だからだよ』
『璃弔は精神異能力系なのだから』
国木田「…わかった、行って来い。」
『あざま〜す!』
ん〜…まじでどこだろ
商店街の人に聞いてもわからないって…
迷子のおまわりさん状態になってないといいな。
『あ!八百屋のママさん!』
八百屋のママ「あら遥奈ちゃんじゃない!どうしたの?」
『うちの敦くん探してるんだけど見てない?』
八百屋のママ「あぁ!敦ちゃんと鏡花ちゃんね!見たわよ!」
『え!本当に!?』
八百屋のママ「えぇ!本当よ!」
『どこに行ったかわかる?』
八百屋のママ「確か…あの〜レストランのあるビルの裏路地に入っていったわね。」
『まじ!?あっ、本当!?』
八百屋のママ「ふふっマジでも良いのよ^m^」
「確か男の人と一緒だったわね…」
『特徴は…?』
八百屋のママ「背が高くて…多分兄弟なのかしら?紫頭の人だった気がするわ。」
『ママさんありがとう!じゃあ迎えに行ってくるね!』
八百屋のママ「気おつけてね〜!!!」
八百屋のママに感謝!
おかげで敦くんたちの尻尾掴んだ!
よし、ここだ!
裏路地へ行くとそこには意識朦朧な敦くんと倒れ込んでいる鏡花ちゃん、そして…
蘭「…」グググ
敦くん「ガッ……グッ…」
璃弔「ねぇ、灰谷遥奈どこ?」
敦くん「知りませッ…」
竜胆「…」ドコッ
敦くん「ガハッ」
敦くんが地面に倒れ込む
璃弔「なんでわからないの?貴方それでも武装探偵社の社員?」敦の胸ぐらを掴む
なんでこいつは探偵社の社員だからといって仲間の位置がわかると思ってるんだ?
璃弔「ねぇ、なんで?」顔を近づける
はっ!やばいっ
『まて璃弔!敦くんを離せ!』
璃弔「あ!遥奈チャーン♡」敦を離す
敦くん「い゛ッ…」
『…っ!』敦くんのところへ駆け寄る
『…璃弔、お前は一体何がしたい。』
璃弔「そうだねぇ…」
『そうか…でも私はお前に死ぬより苦しい思いをさせたい。殺すより遥かに残酷な、ね。』
『つーわけで〜、この二人は回収させてもらうよ。』
璃弔「あらそう、ざーんねん。」
『じゃあ私は帰るよ。あ、
最後に、璃弔。もっかい今回と同じ事やってみろ…』
璃弔「ひゃー怖ー笑」
「痛い目合うのはあんた達だよ~だ。」
璃弔「…流石に怒られるかしら?」
あ〜なんとかなった〜!敦くん意識あったし。
『よかったーふたりとも生きてて』
敦くん「有難うございます。助かりました」
『当然のことをしたまでだよ。それに良く持ちこたえたね。』
敦くん「異能力でなんとか…」
『璃弔の異能に耐えただけでも凄いよ〜ウンウン』
敦くん「そんなに強いんですか?!」
『そうだよ〜操られてる人間は自分で自分を動かせなくなる。
もしその操られている人間に攻撃されたとしても、操っている本人を攻撃しないとずっと攻撃を食らう。』
『つまり、本体を見つけないと勝ち目がない。本体が見つからなければ最強となるわけだよ。』
敦くん「なるほどです。」
『操られないためには片目を隠すか閉じるかしないといけないよ。』
敦くん「え、片目でも目があったら操られるんじゃないんですか?」
『それが違うのだよ。あの異能力は操る側が見える目の数と
操られる側の目の数が合っていないと発動しないんだ。』
『だから思ったより弱いなんて事がある。』
敦くん「便利なのか不便なのか…」
『確かにそうだね笑』
〜探偵社 医務室〜
二人の治療が完了した。
鏡花ちゃんはベットで安静にさせている
与謝野先生「にしてもどうしてああなったんだい?」
『それはカクカクシカジカでして、』璃弔の件を言った
与謝野先生「一体遥奈が璃弔ってやつに何をしたんだい…」
『あはは〜』
与謝野先生「にしてもよく気がついたね〜、その路地裏近くってあんまり人通りが無いンだよ。」
『あ〜場所がわかったのは、よく行く八百屋のママさんに教えてもらったんですよね。』
与謝野先生「あ〜、よく敦と鏡花を連れて行ってるって言ってた八百屋のかい?」
『そうですそうです!あそこってさっきの裏路地から近いんですよね〜だから分かったのかも。』
与謝野先生「良い協力者見つけたねェ」
『あ゛〜でも梵天がどんどん璃弔に侵食されてるのが良ぉぉく分かりました。』
与謝野先生「侵食?そうなのかい?」
『ん〜、あくまで私の憶測なンですけど…』
『まず、さっき璃弔が敦くん達をボコボコにしていると思った。』
『でもよくよく見ると力を奮って(ふるって)いたのは璃弔とは別のにi…』
『別の梵天の幹部で、あともう少ししたら梵天の人間全員“洗脳”してしまうのかな〜と。』
与謝野先生「目を離したら解かれるンじゃないのかい?」
『それが…1度操られる範囲に入ったら異能を解かれるまでそのまんまなんです。』
与謝野先生「一筋縄じゃいかないってわけかい。」
『そのとお〜りですよ。』
『あ〜!やだやだ…』
与謝野先生「珍しいねェ遥奈が拗ねるなんて」
『拗ねてませんよぉ〜…』
与謝野先生「明日遥奈休暇取ってるかい?」
『とってます…』
与謝野先生「じゃあ今日一緒に飲むか?」
『…!!』
『与謝野先生好きぃ〜…』
与謝野先生「よし!じゃあ仕事やりな!」
『はいっ!』
〜つづく〜
2025.1.30.17:20
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