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「ちゃんと聞かしてくれるまで……ずっとこのまんまよ?」
言い終わるなり、実篤はチュッと音を立てて咥えていた方の乳首を吸い上げ、わざとフルリと揺らすようにして離すと、今度は今まで手でいじっていた側を口に含んだ。
もちろん実篤の唾液に濡れ光って赤くしこったもう一方だって、指先でくすぐるように弄ぶのを忘れない。
「……あ、好きっ。好きじゃけ、少し休まして? お願っ」
粘り勝ち。
くるみに胸を触られるのが好きだと言わせることに成功した実篤は、内心『よっしゃぁー!』とガッツポーズをしつつ、表面上は平静を装って「いい子」とくるみの頭を撫で撫でしたけれど、実際自分だってもう結構ギリギリなのだ。
今すぐにでもギンギンに張りつめた息子をくるみの中に挿入たくてたまらない。
涙目でそんな実篤を見上げたくるみが、肩で息をしながらも、ゆっくり身体を起こすと、「そんなに余裕ぶっちょるけど……実篤さっ、は苦しゅうないん?」と聞いてきて、その言葉の意味を測りかねて「え?」とつぶやいたと同時、実篤はベッドに押し倒されて痛いくらいにいきり立った息子を小さな手でスリリッと撫で上げられた。
「んぁっ……!」
突然の刺激に思わず小さく喘いだら、くるみが嬉しそうにニコッと笑って、
「ねぇ、さっきうちに言うてくれたじゃろ? 実篤さんも素直になりんちゃい」
と息子をキュッと握りしめられた。
「うぁっ。く、るみちゃっ、それ……ダメっ……」
(そんとなことをして、キミに挿入る前に暴発したらどうしてくれるんよ!?)と思った実篤だったけれど、息子の根本をくるみの小さな手がギュッと押さえているので(いや、待って? コレきっと、達きたくても達かれんやつ!)と気が付いてゾクリとする。
「実篤さんはこれをどうしたいん?」
くるみはあくまでも小悪魔で……どうやらさっき散々いじめられた仕返しをしたいらしい。
「――ね? 素直に言うて? それじゃないとずーっとこのままですけぇね?」
くるみに意地悪く焚きつけられて、実篤は先程同じように彼女を責め立ててしまったことを軽く後悔する。
「ごめっ、くるみちゃ……。お願い。もう限界じゃけ、キミん中に挿入さしてっ」
ヘタレわんこは簡単に小悪魔くるみに屈服すると、くるりと身体を反転させて、彼女をグッとベッドへ押さえつけた。
早急に彼女の股の間に手を滑り込ませれば、クチュリと濡れた音がして指先が簡単に蜜口に飲み込まれてしまう。
「あんっ」
途端いままでの強気が嘘みたいにくるみがキュッと身体をすくませて可愛らしく喘ぐから。
実篤はベッドに置かれた避妊具を手に取ると、はやる気持ちを抑えながらそれを痛い程に張りつめた昂りに装着した。
「ごめん、くるみ。さすがに限界じゃけぇ」
言って、いつもみたいに念入りに彼女の膣内をほぐしもせずに、一気に腰をうずめる。
「や、ぁぁんっ。実篤さっ! いきなり深、いっ」
余りの心地よさに、そんなくるみの抗議も遠くから聞こえてくるようだった。
「くるみっ!」
涙目ではくはくと喘ぐくるみの唇を強引に塞ぐと、逃げ惑う舌を絡めとって吸い上げる。
さっきまでさんざんいたぶって赤く熟れ切った胸も両手でギュッと鷲掴むように揉んだりこねたりしながら、その柔らかな手触りを存分に楽しんだ。
「くるみちゃんの中、ぶち熱ぅ、なっとる、ねっ。ここへ触る度にキュンキュンうねって……俺のにっ、絡みついてくるっ!」
キュッと固く勃ち上がった可愛い乳首をつまむたび、我慢出来ないみたいに実篤に吸い付いてくるくるみの肉ひだの感触が死ぬほど気持ちいい。
「俺、ヤバイくらいっ、気持ち良いん、じゃけど」
くるみちゃんは?と聞こうとしたら「うちも、気持ち良くて怖いっ」とギュッとしがみつかれてしまう。
素肌にくるみの柔らかな胸が押し当てられて、実篤の中の男がこれでもかといわんばかりに滾った。
「やんっ、これ以上大きゅう、せん、でっ?」
途端くるみが眉根を寄せて訴えてきたけれど、そんなの無理に決まっちょろう!と実篤は声に出さず反論する。
風呂場の方からダァーダァーとお湯が溢れている音がするけれど、あと少し。
二人が昇り詰めるまで、お湯を止めに行くことは出来そうにない。
***
「家でこんなんやったら凄い後悔するっちゃね」
浴槽からお湯が溢れてこんなに駄々漏らしてしまっている。
水の無駄遣いをしてごめんなさい、と思いながら実篤が苦笑したら、くるみも「……確かにすっごい罪悪感です」とぼんやりした様子でほわん、と答える。
くるみの家も実篤の家も、建物自体はとても古い日本家屋だが、お風呂場はリフォームしてあって、お湯張りは自動で出来るようになっている。湯量だって予め設定してある量に達したら勝手に止まるし、こんな風に自分で止めないとお湯が溢れる風呂は久々だった。
さんざん擦って揉んで食んで……舌先で転がしたくるみの胸は、ほんのりと赤みがさしていてちょっぴり痛々しくて、さすがにあんなに執拗に触れてしまったら、くるみの柔肌に傷をつけかねない。
(気ぃ付けんといけんな)
なみなみと満たされたお湯を洗面器ですくい上げては、キスマークまみれのくるみの滑らかな肌に掛けてやりながら、実篤はそんなことを思う。
若いくるみの肌は掛ける端から湯を跳ね返して、つるりと輝いて見えるから。
(若い子の肌ってホンマすごいのぉ)
小さく吐息を落としながら、『ねぇ実篤。知っちょる⁉︎ 年を取ったら、肌がお湯を吸うようになるんよ! 若い頃みたいに弾かんくなるの!』と母親が力説していたのを思い出した実篤だ。
そこでふと、くるみから飛び散った水気が自分の肌を伝うのを見るとはなしに見て
(まだ大丈夫……だよな?)
なんてことを思ってしまった。
もっと湯を使って減らしてからでないと、泡風呂は楽しめそうにない。
「先に身体洗うてからジャグジーを楽しもうか」
実篤がポツンと言ったら、くるみがぽやんとした声で「はい」と答える。
ベッドでやり過ぎたからだろうか。
くるみは未だにぼんやりとした雰囲気のまま、まだ達った余韻から抜け出せていないのかも知れない。
(まぁその方が好都合か)
下手に恥ずかしがられてもやりづらい。
実篤はアメニティの中にあったペタンコに圧縮されたスポンジの封を切ると、押しつぶされた板のような白いものをお湯でもみほぐしてふんわりさせながらそんなことを思う。
膨らませたばかりのスポンジにボディソープをたっぷりつけて揉んだら、すぐにきめの細かい泡が立った。
どうやらこちらは桃の香りのようだ。
ホテルの名称が『フルーツバスケット』だったことを思い出した実篤は、もしかして泡風呂用の入浴剤がイチゴだったのも、店の名にちなんでいたのかな?とどうでもいいことを思う。
「俺が綺麗に洗ぉーちゃげるね」
ふわふわに立てた桃の香りの泡で背中をそっと撫でると、くるみが「んっ」と小さく漏らした。
その吐息が色っぽくて、スポンジ越しではなく直に撫でまわしたくなってしまった実篤だ。
欲望のまま、スポンジは泡を作るためだけに使って、さわさわとくるみの身体を手のひらで撫でまわしたら、そのたびにくるみが甘い声をこぼすから、当然というべきか。実篤の下腹部で、息子さんがまたしてもスタンバイOKだと訴えてきた。
(いやいや、ダメじゃろ。俺も身体洗わんといけんのに)
実篤は、最低でも泡風呂に浸かるまでは我慢せんと、と思う。
くるみに触れるのも大概にしないと、まだ意識のハッキリしていない彼女を再度追い上げ兼ねないではないか。
そう思った実篤は、「前は自分で洗えるじゃろ?」とくるみに声を掛けて、泡まみれのスポンジを渡して、自分は素手で適当に泡立てたボディソープを使って、かなり雑な手つきでガシガシと身体を洗う。
そんな実篤の前でくるみがふわふわした様子で自分の身体を清めているのが見えるから、
(くるみちゃん、早ぉ帰って来て)
実篤は自分が彼女をそうしてしまったことを棚上げして、そんなことを願った。