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閑話休題 「A級に上がりたい」
――作戦室。
反省会も終わり、 空気が少し緩んだ頃だった。
突然。
水瀬が机へ身を乗り出した。
「みんな」
「A級に上がると何が出来ると思いますか?」
珍しくテンションが高い。
三上が若干引いた。
「え、何」
「では黒瀬くん」
急な指名。
黒瀬が少し考える。
「……改造トリガーが使える」
「ブーッ」
即否定。
「そこも大事だけど違います」
「違うんですか」
「次! 三上先輩!」
「えぇ……固定給貰えるとか?」
「ブー!」
水瀬が机を叩く。
「もう! そんな事より大事な特権あるじゃないですか!」
「そんな怒る?」
奈央が苦笑する。
「次、奈央ちゃん!!」
「え、えーっと……遠征?」
「違います!もっと大事な事です!!」
パンッと手を叩く。
そして。
水瀬は満面の笑みで言った。
「A級になると専用作戦室が貰えます!」
沈黙。
三上が真顔になる。
「……は?」
「個室ですよ個室」
水瀬が力説する。
「共有じゃないんですよ?」 「荷物置きっぱに出来るし」 「ソファ置けるし」 「冷蔵庫も置けます」
「そこ?」
黒瀬が静かに聞く。
「超大事です」
即答だった。
その横で、 奈央がふと思い出したように口を開く。
「……あ、そういえば」
「?」
「結ちゃん、三人兄弟の末っ子だから」
三上が瞬きをする。
「え、そうなの?」
「自分の部屋ないんですよね」
「あー……」
黒瀬と三上が同時に納得した。
奈央が少し笑う。
「昔から秘密基地とか好きでしたし」
「好きだったね〜」
水瀬がうんうん頷く。
「押し入れとかめっちゃ改造してましたね」
「何してんだお前」
「落ち着くんですよ狭い所」
かなり水瀬だった。
そして本人はもう止まらない。
「専用作戦室になったらですね」
指を折りながら数え始める。
「冷やしたジュース常備して〜」
「うん」
「お菓子ストックして〜」
「うん?」
「コタツ置いて〜」
「待て」
三上が即座に止めた。
「作戦室だぞ?」
「快適空間です」
「絶対ダメになるだろその部屋」
「あとビーズクッション欲しいです」
「もう住む気じゃねぇか」
奈央が小さく吹き出す。
黒瀬も少しだけ笑っていた。
水瀬は完全に夢が広がっていた。
「照明もちょっと暗めで〜」
「お前もう秘密基地作りてぇだけだろ」
「はい」
即答だった。
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み ん と
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