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side風


「ゴホッゴホッ・・・」


この子のお姉さんを探せって・・・

先輩に頼まれたからするけどさ・・・

家が密集しているからか周りが森に囲まれているからか空気がこもっている。

呼吸するたびに肺に煙が入り呼吸がしづらい。

服の袖で口元を覆い顔をしかめる。

早く見つけないとこっちも焼け死んでしまう。


・・・もっとも先輩がいる時点でそんな事は”起こらない”けど


流石に迷惑をかけるわけにはいかない。

そろそろ目も痛くなってきた。


名前も知らないし会ったこともない相手を探すとなるとかなりきついが、あの子の姉さんだろうから見たらわかりそう。

さっきはとりあえず白衣の背中に>と3つの丸が書かれたLCのニンゲンを片付け、 先輩を探してたら見覚えのない 子供に話しかけていた。

よくあることなんだけどね・・・


先輩は”外交官長”ってこともあるから

いろいろなところに行く。

だが、毎回と言っていいほど何かしらトラブルが起きる。

「あっちが騒がしいから見に行こう」なんて言い出すから見に行くと、不正に人外を奴隷として売り捌いている商人の巣窟を見つけてしまったと思えば、いつの間にか獣人の孤児を見つけて引き連れている。


別にいいことをしているのは本当にそうで、キアノース国の幹部ならばそんなことは当然だ。

でも、流石に仕事を放り出してそっちに行くのはどうかと思う。

そのせいで俺に仕事が回ってくる。


この前なんて、そのせいで遅れてある国と同盟を結ぶ約束が無くなるところだった。


今回は、外交が終わった後で本当に良かった。


さてと、村にある家は全て見終わった。

いないね。

逃げたか、連れ去られたか、殺されたか・・・

この村を壊滅されたのが人豪主義の過激派集団LCともなるとなんとでも憶測出来る。

でも今はそれを考えてる余裕はない。


・・・そしたら、もう俺が火の中を走り回る理由もなくなった。

早々に引き上げよう。


森の方に向かって歩き出した。

・・・視界の端に何かが映った気がする。

頭に突き刺さるような冷気を感じた。


「・・・ッ!」


反射的に体の重心を後ろへずらし、半ば転げるようにして後方へ飛んだ。

次の瞬間、 とてつもない風圧と冷気、 自分が地面に転がった感覚 を同時に感じた。

素早く起き上がり辺りを警戒する。

頬から生温かいものが流れ地面に滴り落ちた。

冷気の正体は氷だった。魔力のこもった鋭い先が俺を見つめる。

後ろに身をひいた瞬間、 元々自分がいたところに無数の氷の針が直撃したのだ。

奥の建物が凍ってる。

その時に頬を掠ったんだろう。痛みはないがぱっくりと傷が開いている感覚がある。


氷が飛んできた方向からは凄まじい力が感じられた。


俺も相当強いはずだけど それよりも強い。


こういう分析は得意だからすぐわかる。 俺一人じゃどうしようもならない。


俺は村の外に向かって全力で走った。

出来るだけ低い姿勢で建物の間を縫って走る。その 後ろから冷気が追いかけてきている。

なんとか煙と冷気から逃げ村の外へと続く道に出ると、先輩の姿が視界に入った。

急いでそこまで行くと先輩も異変に気づいていた様子だった。


「風〜大丈夫〜?」

「なんとか大丈夫」


「じゃあ」 と先輩はあの女の子を渡してきた。


女の子はなんか眠ってるし・・・


不信感のこもった目を向けると先輩は「何もしてないって!」となぜか両手を上げて首を横に振った。

自然と緊張が解ける。

いたずらに笑った先輩が不意に少し後ろを見た。


その時、物理的な重さを伴うかのような重圧と揺れが起こった。

思わず目を瞑る。


数秒してゆっくり目を開けると、地面には氷のかけらが幾つも散らばっていた。


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