「ぷっちー、…え?」
「…あ。」
眼鏡を借りに部屋に入ると、机の上には薬の瓶。
そして床には錠剤が散らばり、それに囲まれたぷっちーが居た。
「アンタ、何してんの。」
「あ…、あ、ぁ…あ…。」
ぷっちーは口をぽかんと開けたまま何も言わない。 お前、こんなことしてたのかよ。通りでなんかふわふわしてると思った。
ったく、自分の体壊す様なことして、何がしたいの?
私がぷっちーを睨むと、ぷっちーは私を突き飛ばし、そして少し掠れた声で怒鳴る。
「ぅわっ?!ちょ、」
「っ…出てって…!」
「待って、ぷっちーっ!」
「…お願い、1人にさせて。」
私が抵抗しようとすると、 ぷっちーは少し悲しそうに言う。その声を聞くと、ぷっちーを今怒る気力も無くなってしまう。
私は仕方なく、部屋を出ていく事にした。
数時間待てども、ぷっちーは部屋から出てこない。
もしかして薬を飲み過ぎて倒れたり…?
もしかして私にバレたからって死のうとしてたら…?
私はネガティブな考えが止まらない。不安が高まりネイルもカツカツと机を打ち付けた。
すると、カツカツとネイルと音がする寂しい部屋に、ガチャリという音が鳴り響いた。
そしてガチャリと開いた扉から、ぷっちーが顔を出した。
「…ぷっちー、アンタ。」
「…何も、聞かないで欲しい。今、辛いんだ。ねーちゃん。」
「…え、」
私はびっくりした。久しぶりに、コイツが私に感情を伝えたのだ。
「…そう。」
私は小さく返事をし、ぷちひなのXに活動休止の報告文を打った。
1ヶ月くらい、そのくらいあればぷっちーも落ち着くはずだ。それまでは動画に引っ張られず安心して過ごしてもらいたい。そしてぽん太やいむにもLINEを送り、承諾をもらった。
「ぷちひな、1ヶ月活動休止ね。」
「…え、?」
「なんか悩みあんのに笑顔届けるのは無理でしょ。早く落ち着かせて話してね。」
「い、む…とか、ぽん太…は。」
「伝えた。ゆっくり休め、だってよ。早く元気になりなさいよ。私よりも若いんだから。」
「…うん。」
そうするとぷっちーは小さく返事をした。
そして何も言わずに部屋に戻って行った。
久しぶりに、私を「お姉ちゃん」と呼んでくれた。
昔は「お姉ちゃんなんて呼ばれたくない。」とか言ってたっけ。でも、頼られてるみたいでちょっと嬉しかった。
また呼んでよね、バカ弟。
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