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第73話「希望なき猶予」
天空が割れ、神々の世界《ゴッドエデン》に沈黙が走る。
その中心、玉座を喪った神殿にて、光と闇を融合させた最強の王――サタンが浮かび上がっていた。
サタン「選択肢を与えてやろう。七日の猶予だ――それまでに、貴様らが滅びを受け入れる覚悟を決めろ」
黒い瘴気が空へと渦巻き、破壊された神殿の石柱が崩れ落ちる。
アポロン「貴様……アダム様の力まで吸収して……ッ!」
アルテミス「信じられない……神と悪魔の力を、同時に宿す存在だなんて……!」
サタンはただ冷たく、興味も無さげに言い捨てる。
サタン「戦う気があるなら来るがいい。だが、光と闇が融合した今――この宇宙の理は、すでに我のものだ」
そう言い残すと、彼は虚空の闇に身を沈めた。
そして神の軍団にとっての「終焉のカウントダウン」が、静かに始まった。
⸻
一方、神の幹部たちは…
神の神殿《レクス・ルミナ》の地下に集う幹部たち。
アレス「七日だと? ふざけやがって……! あの怪物、ぶっ潰してやる!」
アフロディーテ「……冷静になりなさい。今のサタンはアダム様すら封じる力を持っている。無策で挑めば、こちらも消されるだけ」
ポセイドン「では、どうする? 戦わずして滅ぶのを待つのか?」
アテナは黙っていた。顔を伏せ、拳を握る。
アテナ「……アダム様は、私たちに何を残されたのか。……私たちの神性は、本当にこの程度のものなのか……!」
アポロン「神である前に、我らは守る者だったはずだ。絶望したまま終わるわけにはいかない」
アルテミス「……そうね。まだ終わっていない。私たちの誇りが、ここにある限り」
その言葉に幹部たちは再び立ち上がる。
アフロディーテが前を向いて、静かに言う。
アフロディーテ「一週間。わずか七日……でも、それだけあれば“星の英雄たち”と共に、希望の火を灯すことができるかもしれない」
⸻
そして、ゲズたちは――
ゲズ「……サタン、光の力まで……!」
リオン「最高神アダムが……封印されるなんて……」
セレナは歯を噛み締めていた。
セレナ「皆……落ち込んでる場合じゃない。今は、一人ひとりが希望にならなきゃ」
ウカビル「……逆境の中でこそ、立ち上がる者が“真の英雄”となる。俺たちは……まだ、ここにいる」
その目に、再び燃える“雷”が宿る。
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