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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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爪鬼が学校で暴れて半年がたった。

あの後他に鬼はおらず、単独による犯行とされた。

図書室前に倒れていた先生は亡くなったと翌日言われた。その先生だけが亡くなった。

俺は高校の受験をやめ、狩人の入隊をすることにした。

入隊条件は中学を卒業であり、試験は国数理社英の5教科の筆記試験、面接試験、一般教養試験となっている。

試験まで残り半年となり、急いで勉強を取り組んで、そして無事合格することが出来た。

もちろん、威吹もだった。


4月1日となり、俺は福島の狩人の基地である”ボイド”に移動することになった。

入隊して1年は愛知、福島、福岡におかれている狩人の”ボイド”という基地に割り振られ、戦闘といった経験を積む。

その後、各都道府県に配置されている”リザーブ”に派遣される。

試験を合格したもの達がホールに集まった。

ステージには「第20期入隊式」と書かれた弾幕が垂れていた。

合格したものたちは歳がバラバラだった。

年配な方もいれば、俺と同じぐらいの若いものもいる。

そう思っていると隊員がホールに入ってきた。緑色と青色の隊服を着ており、その中に半年前に助けくれた青葉海斗の姿が見えた。

黒髪の短髪の男性がステージに上がり、マイクを付ける。

「165名の合格おめでとう。私はブルーチームチームリーダの犬島剛だ。中学を卒業と同時に試験を受けたもの、大学生などなど様々なものがいるだろう。この場で言うのもあれだがこの中で何人が殉職すると思う?」

会場がどよめく。「30!」「いや、数人か?」という人もいる。

「何期とは言わないが、その年では約4割が殉職した。その年の隊員が弱かったのか?いや、違う。鬼たちが連携をしだしたからだ。数十年前までは鬼たちはあまり連携をしていたなかった。個々で活動をしていた。だが、10年前の北海道奪還により鬼たちは個々ではなく連携による行動を取るようになった。彼らは考え進化する生物である。人間と同じだ。では、我々は何をするべきなのか?鬼と同等にやり合うために知識と技術を身につけなければならない!我々は!負けない!勝つのだ!君たちにはこの1年で自分の力を高めてくれ!以上!」

周りが歓声を上げる。拍手をあげるものもいた。

俺はただ呆然となっていた。


話が終わり、各チームで別れることになった。

チームは大きく分けて3つに別れている。

1つはブルーチーム。

ブルーは街で現れた鬼の対処を行うチーム。

大抵の隊員がブルーに配属される。

2つ目はグリーンチーム。

グリーンは医療及び装備の研究などを行うチーム。

医師免許といった資格をもったものしか配属することは出来ない。

グリーンに配属するために大学までいき、資格をとるものもいる。

3つ目はレッドチーム。

レッドは鬼が占領している土地の偵察及び奪還を行うチーム。

しかし、レッドは優秀な隊員しか配属することが出来ない。

ホールを出たあと各部屋に案内され、入隊前に採寸された隊服を用意されていた。

着ていたスーツから隊服に着替え、次に集合となっている場所に移動する。

ドアを開けると隣の部屋からも人が出てくる。

隣の部屋から出てきたのは威吹だった。

「威吹が隣の部屋か」

「龍也が隣かー、正直綺麗な女性が良かったなー」

「うるせぇよ」

威吹と一緒に訓練場に移動する。周りには同じ青黒い隊服を身にまとっている者が多くいる。

俺と威吹は同じ場所に移動する。

集合場所には青葉海斗とハリーと呼ばれていた女性がいた。

「君たちが赤城龍也と氷河威吹だな…。試験合格及び入隊おめでとう」

「「ありがとうございます!」」

「早速だけど訓練をする。筋力が中学生だからあまりない。今日から半年間、筋力トレーニングをする。メニューはハリー軍曹が作ってるからそれを見てくれ」

「ほーい!じゃあメニュー渡すねー!」

「メニューには筋トレのメニュー内容が記載されている。あと俺の部隊では起床および睡眠時間も設定してあるからしっかりと目を通しておけ」

起床5時、睡眠22時という生活リズム整いそうなメニュー内容になっている。

筋トレのメニューも中学の部活よりも当然レベルは高い。正直筋肉痛になるに間違いない。

「じゃあ、筋トレするぞ」

こっからは3時間弱…いや、それ以上の時間筋トレをしていたと思う。途中からどういうメニューだったか覚えていない。ただ言えるのは俺と威吹2人ともこっぴどくトレーニングをしたということが分かった。

「海斗隊長、そろそろ18時になります」

「そうか。それじゃあ今日はここまでにする。各自ストレッチをしておけ。あと、食事はできるだけコンビニなどで買わないように。食堂で食べるようにしろ。金がないなら貸してやるからしっかり食べろよ」

「「は、はい!」」

訓練場から食堂に行くまでの道中、かなり体が痛かった。オリエンテーションかと思いきや初っ端から筋トレをするとは思わなかった。

「威吹…体痛くないか?」

「ケツが4つに割れそう…」

「食事ってなんでもいいのかな…」

「できるだけタンパク質取ろうぜ…」

「肉食いたい…」

食堂につき、券売機でメニューを選ぶ。俺と威吹は同じのとんかつ定食を選んだ。券を厨房近くの箱に入れる。そうすると奥で調理用機械が働き2分後にはとんかつ定食が目の前に現れた。

「機械が導入されてるなんて知らなかったな」

「最新鋭っちゃ最新鋭だよな」

「あ!!おーい!龍也ー!威吹ー!」

手を振りながら俺たちの名前を呼んでいる奴がいた。そいつの顔には見覚えがあった。俺たちはそいつの方に行き、席に座る。

「誰かと思えば健太と和紀か。お前らも入隊してたのか」

大声で俺たちを読んでいたのは小学校から同級生の白石健太。静かに親子丼を食っているのは健太と同じく川島和紀。この2人は高校受験をすると聞いていたが入隊しているのはここで初めて知った。

「ああ!前の中学校のこともあって入隊して鬼から人を守りたいって気持ちが強くなったんだよ!」

「へーじゃあ和紀は?」

「ん?俺は高校受験か入隊のどっちかで迷ってたけど今必要なのは入隊して鬼から地元を守ることがいいと思ったからかな」

「ちなみにこいつと俺はブルーの第2部隊に配属することになったんだ!お前らは?」

「俺と龍也は第1部隊だよ」

「第1って…青葉海斗さんがいる部隊?」

「ああ、そうだよ?」

2人ともまじ〜みたいな顔している。海斗さんに何かあるのか?

「なんだよ、そんな顔して」

「いやいや!お前ら海斗さん…いや、海斗少尉がどんな人か知ってるか?」

「いや、知らないよ」

「青葉海斗少尉…4年前に入隊した隊員だけどほかのベテラン隊員よりも遥かに強い人なんだよ。今俺たちより先に入隊した先輩方に「誰が強いんですか?」って聞いたら半分近くは青葉少尉っていう人が多いらしい」

「お前らなんでそんなに知ってるの?」

「あー、第2部隊隊長の近藤中尉に教えてもらったんだ。結構フレドリーな人で色々と教えてもらったよ」

「青葉隊長ってどういう風に戦うのか聞いた?」

「俺も威吹が疑問に思ったことを聞いたんだけど戦い方までは教えてくれなかった」

海斗隊長…俺たちの部隊の隊長が強いということはここで知っていたがこの後よりいっそうそれが実感する出来事があった。だが、その話はもっとあとになる。


「あー結構食ったな…」

「だね。今日はシャワー浴びてゆっくり休もう」

「だなー。じゃあお疲れ様!またあしたな!」

部屋に入り、隊服を脱ぎ、シャワーを浴び、部屋服に着替える。携帯を取り出して電話をかける。

『この電話番号は電波の届かないところにあります。ピーッとなったあとにメッセージをどうぞ』

ピーッ

「あ、母さん。1日目終わったよ。初めからかなりハードだったよ。筋トレとか1年ぶりかもしれない。でも、頑張るよ。あと、健太と和紀がいたんだ。結構やっていけそうだよ!父さんと勝也も元気でやってるからね!」

蛇口から水の水滴が何度も落ちる。月の光が綺麗に差し込んでいる。

「…俺は大丈夫だから。もしかしたら父さんたちよりも早くそっちに行くかもしれないけど死なないように頑張るね。またね、母さん」

携帯を切り、弟の勝也と父にメッセージを送る。勝也からはすぐに連絡が来た。内容は「頑張って!」という言葉。父からはまだ来ていない。すぐ返さないのが父親らしい。

ベットに入り、部屋を暗くする。

明日は起きるのが早い。

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