※注意※
※ウィンブレのうめひいです
※下手くそだと思います
※地雷・解釈違いはUターン
上記オーケーの方のみお進みください
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それは冬になったばかりのことだった
俺はある場所に向かって走っていた
今日は柊と出かける約束をしていて約束の時間になっても来なかった
あの時間に厳しい柊が来ないことに胸騒ぎがしていた
梅宮「柊のやつ…遅いな……何もなければいいんだが…」
その時俺のスマホが鳴った
梅宮「(柊から…)もしもし、柊今どこだ………はい、そうですが……え?」
電話から聞こえたのは聞き馴染みのある声ではなく救急隊の人だった
話によると柊は道路に飛び出した子供を庇って大怪我をして病院に運ばれたらしい
そして今に至る
病院に着き受付の人に病室の場所を聞いて教えてもらった病室のドアを開ける
梅宮「柊!」
柊「………」
梅宮「よかった…意識はしっかりしてるみたいだな、怪我の具合は?」
柊「………お前、誰だ?」
梅宮「へ?ちょっ…なに言って…?」
柊「いや…お前、俺のこと…知ってんのか?」
一瞬にして周りの音が遠ざかっていった
柊に…好きな人に忘れられてしまったことが何よりも悲しくて悔しかった
好きな人といえど俺はまだ柊に好意を伝えていない
そこは不幸中の幸いだったかもしれない
もし恋人になっていたらその場で泣き崩れていたかもしれない
柊「なぁ…」
梅宮「あぁ、悪い…自己紹介しないとだよな、俺は梅宮一だ、改めてよろしくな、柊」
柊「その…梅宮と俺はどういう関係だったんだ?」
梅宮「俺たちはーー」
何の関係もない
ただの同級生で仲間だと言えば済む
しかし俺の口から出た言葉は
梅宮「俺たちは付き合っていた、恋人なんだ」
柊「本当に…?」
梅宮「あぁ、俺たちは恋人なんだよ」
嘘をついてしまった
柊の記憶がないのをいいことに恋人だと嘘をついてしまった
嬉しい反面、罪悪感もある
でも柊は少しだけ嬉しそうに微笑むだけだった
それから俺と柊の嘘の恋人生活が始まった
柊には退院後、荷物を持って俺の家に来てもらうことにした
少しでも恋人を演じるために同棲しているという嘘もつくことにした
まだ怪我も治りきっていないため介抱も必要だと思ったからだ
梅宮「柊、荷物はこの部屋に置いていいからな」
柊「ここは?」
梅宮「俺と柊の部屋だよ」
柊「……梅宮の匂いがする」
こういう落ち着いた柊は可愛くて本当に好きだ
もう少し、もう少しだけ……
側にいたい、声を聞いていたい、俺だけを見ててほしい
恋人でいたいーー
柊の記憶は中々戻らず一緒に過ごし始めてもうそろそろ1ヶ月が経とうとしていた
あれからずっと俺は柊の恋人のフリを続けた
恋人らしいことを俺なりに考えてたくさんしてきた
デートらしいことも、一緒の家で過ごすことも
けどキスだけはしていない
だって本当の恋人のために取っておいてほしいからだ
そこまで俺が奪ったら申し訳ないしな
梅宮「もうキスをしない理由を誤魔化すの難しくなってきたな」
柊は俺が未だにキスをしないのを不思議に思っていた
誤魔化し続けてきたがもう上手い言い訳が見つからなくなってきた
神様に叱られてるみたいな気持ちだ
もう、本当のことを言うしかないみたいだな
十分、幸せにしてもらった
その日の夜俺は柊に真実を話すことにした
梅宮「柊、真剣な話がある」
柊「真剣な話?」
梅宮「落ち着いて聞いてくれ…」
柊「おう…」
梅宮「俺と柊は…本当は付き合ってないんだ」
柊「……なんで嘘ついたんだ?」
梅宮「俺の欲を満たしたかった…俺の私情に巻き込んで悪かった」
柊「…………」
梅宮「ただ…ずっと約束していた駅前のイルミネーションを最後にしよう」
退院したときに何がしたいかを聞いたらクリスマスの少し前から駅前に飾られるイルミネーションが見たいと言っていた
梅宮「来てもいいし、来なくてもいい…それは柊の自由だ、イルミネーションを見たら俺たちの期間限定の恋人は終わり」
柊「梅宮……」
梅宮「終わったら、柊は自分の大事な人を探してくれて構わない…じゃあ、お休み」
そう言って俺は布団に入って寝てしまう
柊「なんで…そう自分で勝手に決めんだよ…俺は…俺の大事なやつは_____」
そして約束したイルミネーションを見に行く日
その日はそれぞれ出かけるところがありイルミネーションのところで待ち合わせることにした
俺は早めに用事が済んで先にイルミネーションのところに着いた
イルミネーションが点灯して数時間待ったが柊は中々来なかった
もう一日が終わってしまう…
諦めて帰ろうとしたら聞きなれた足音が聞こえてきた
柊「梅宮…!」
梅宮「柊、来てくれたのか…」
柊「行くべきか悩んで悩んで悩みまくって…俺、どうしてもお前に言いたいことがあるんだ!」
梅宮「嘘をついた俺への恨み言か?」
柊「あぁ、そうだよ…」
梅宮「わかった、これで最後だし…全部聞くよ」
俺は最低な嘘をついた
柊が恨み言を吐く権利は十分にある
俺はその恨み言を受け止めなければならない
柊「まずお前の嘘は最低だと思う、というか何となく気づいてた、周りの反応が明らかにおかしかったからだ」
梅宮「鋭いな、柊は」
柊「でも一緒にいて楽しいって思ったのは事実だ、優しくしてくれて、俺を笑わせてくれて、気遣ってくれて、俺を優先してくれた…すごく嬉しかった!」
梅宮「………」
柊「この間このイルミネーションを最後にしようって言われて…嫌だって思ったのに梅宮は勝手にそう決めちゃうし…」
梅宮「え…それって…?」
柊「梅宮…今までの嘘を全部本当にしてほしい」
梅宮「え…?」
柊「だから…俺を梅宮の恋人にしてほしい」
いきなりの告白に俺は一瞬理解が追い付かなかった
柊が俺の恋人になりたいってことだよな?
でも俺はーー
梅宮「でも俺は柊が記憶なかったことを利用したんだぞ?恋人になる資格なんて」
柊「じゃあ俺も正直に言う…俺も嘘をついてた」
梅宮「え?」
柊「俺も記憶がないなんて嘘をついた…梅宮に迎えに来てほしくて…」
梅宮「じゃあ今までのって…」
柊「全部演技だ…俺はお前を独り占めしたくて記憶がないフリをしていた…でも一緒にいてわかった…梅宮は本気で俺を好きなんだと」
梅宮「柊……」
柊「梅宮…俺は梅宮のことが好きだ、俺の恋人になってほしい…」
梅宮「もちろん、こちらこそだ」
俺は涙を流しながら柊を抱きしめる
そしてそっと離し柊にキスをする
俺たちはお互いに嘘をつきながら恋をしていた
しかし今その恋は本物になったのだ
些細な嘘からこんなにも幸せな未来が来るとは思いもしなかった
嘘から始まった恋は甘くてとても愛おしいものになった
嘘から始まる甘い恋 END
コメント
6件
めちゃくちゃ泣けてきたт⩊т 今回も最高でした😭👏✨
今回は2人の些細な嘘から始まる恋のお話でした 許されない嘘と知りながらも側にいたい梅宮さん、そんな梅宮さんに安心感を覚えた柊さん 今回は攻めからではなく受けから告白するという形に初挑戦しました そのためうまく纏まってませんが少しでも楽しんでもらえたら幸いです
めっちゃ良かった! 梅ちゃんと柊幸せそうで なりより!