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【お前が死ぬまであと100日】お前と出会ったのは、行きつけの喫茶店だった。いつも見たいに窓際の席、コーヒーを飲んで、窓を眺める。
「相席いいですか?」
話しかけてきたお前。俺は鮮明に覚えている。紅茶をお盆に乗せて、少し遠慮気味に聞いてきたお前。白色のTシャツに水色のカーディガンを着ていた。
「あ、どうぞ」
するとお前は、「ありがとうございます」と言って席に座った。お前は紅茶の飲み方も上品で、『座れば牡丹』とはこのことなのだろうか。
「あの、私なにか変ですか?」
顔を赤らめて聞いてきたお前。まじまじと見つめていた変な人に思われたかもしれない。
「ご、ごめんなさい、綺麗でつい、」
するとお前は笑った。「そんなことないですよ」くすくすと笑ったお前の笑顔は俺が見た中で誰よりも美しかった。
「ここであったのも何かの縁ですし、連絡先交換してくれませんか?」
スマホを差し出したお前。俺はこくこくと頷いて、スマホを差し出した。
「あ、そうだ僕の名前はー」
するとお前は俺の言葉を拒んだ。俺の口に人差し指を立て、くすりと笑いながら言った。
「お互いの名前は秘密にしよ?」
その言葉は俺に興味を与えた。挑戦状を突きつけられたような感覚になった俺は、
「いいですよ、その代わり、お互いのことを【お前】って言い合いません?」
俺は、人の名前を覚えるのが苦手だ。間違えて気まずくなるのも嫌だから。
「いいよ、お互いの連絡先の登録名は【お前】で設定するからね。」
これが始まりだった。なにを間違えたのか、何が失敗だったのか、そもそも出会ってしまったのが悪かったのか、その時の俺は後々の後悔を知るよしもなかった。
あとがき
はじめまして!作者のじーなおと申します。このたび連載を始めました。皆さんに楽しんで貰える作品をつくれるように努力して参ります。何卒よろしくお願いします。