赤き世界のウツロサマ

花「実は私には秘密があったんです。誰にも知られてはいけない重大な秘密が……」

白「それがここで起きている現象と関係していることは間違いなさそうね」

宇「はい……」

花「まぁそう警戒しなくても大丈夫さ。僕は君達の敵ではないよ。むしろ味方と言ってもいいかもしれないね」

白「どういう意味ですか……？」

花「そのままの意味さ。僕には目的があるんだ。その目的を達成するためには君の力が必要なんだよ。もちろん協力してくれるよね？」

兎「そ、それは……嫌です！！」

花「どうしてだい？」

兎「だって……痛いし苦しいもの。もうあんな思いするのは絶対に嫌なんです……」

花「ああ、あれは確かに辛い経験だっただろうね。でも安心してくれ。今回はそういうことはないはずだから。僕の言うことを聞けば君は幸せになれるはずさ」

兎「えっ？私の好きな人？」

花「そうだよ。君の想い人が誰かによって今後のプランが変わってくるんだ」

宇「（ゴクリ）」

兎「私の好きな人は……巴さんです！！」

白「えっ？私？」

兎「はい！私はずっと前から巴さんに憧れていたんです！その気持ちを伝えたくて今回ここに来ました！」

白「なるほど……つまり告白するためにわざわざこんなところまで来たということですか……」

宇「ひゃ～、ロマンチックですね！！」

兎「素敵……」

花「そうかい。それじゃあさっさと終わらせるとしようか。僕にはやるべきことがあるんでね」

白「まあまあお待ちください。せっかくここまで来てくれたのですからお茶でも飲みながらゆっくり話しましょう」

兎「私も賛成！」

宇「はい、私も是非！」

花「……ふん、勝手にしろ」

兎「あれれ～？何か怒ってますか？」

花「うるさいぞ。さっきのは忘れろ。僕の気が変わらないうちに早く帰れ」

兎「なんでそんなこと言うんですか～？もう帰るわけないじゃないですか～」

白「そういえばあなたの名前を聞いていなかったですね。教えていただけますか？」

花「名前などとうの昔に捨てた」

兎「またまた～。そういう冗談は良いですから。ほら、名乗っちゃいな!」

花「……僕は神だ」

白「……は？」

宇「えっと、その……頭大丈夫ですか？」

兎「いや、待って。神様とか言い出したよこの人」