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はぁ、今回も相変わらず神回.... いいぞもっとやれ。は草
「いつまでニヤニヤしてんですか。」
お揃いのネックレスを嬉しそうに見つめている木兎さんを見てたらこっちまでにやけてしまいそう。
「だって嬉しいんだもん!」
そこでピンポーンとインターホンの音が鳴った。
約束の時間までまだ30分くらいあるけど。
「俺が出る!」
木兎さんが玄関まで走った。
その間に確認してみた。来たのは月島だ。
「すみません、思ったより早く着いちゃって…って、うわ」
「うわってなんだよ!」
「まさか木兎さんが出てくるとは思わないじゃないですか。」
「いちゃ悪いかよ!」
「赤葦さんと2人っきりになれるかと思ったのに…」
「おいおい、赤葦は俺のだからね?」
玄関で言い争う声が聞こえてくる。
「ほら、寒いでしょう。早く入って。」
「赤葦さん!お邪魔します。」
俺が声をかけたらやっと2人は家の中に入ってきた。
「もう、風邪ひいたらどうするんですか。」
「だってツッキーが!」
「木兎さんが全然どいてくれなくって…」
「赤葦さん、ケーキ冷蔵庫入れた方がいいかもです。」
「了解。買ってきてくれてありがとね。」
「いえいえ、ここのケーキ美味しいんですよ。特にショートケーキが美味しくて…今度一緒に食べに行きませんか?」
木兎さんがトイレに行ったのを見計らって月島がグイグイくる。
「いいね、一緒に行こう。」
ケーキくらいいくらでも奢ってあげれそう、後輩ってすごい。
「あ〜!ちょっとツッキー!俺の赤葦と近くない!?」
トイレから木兎さんが戻ってきた。
そんなに心配しなくても俺はあなたのなのに。
しばらくて再びインターホンが鳴った。
次は誰だろう。
「俺出ますね。」
玄関の扉を開けるとそこに立っていたのは3人。黒尾さんと研磨と木葉さん。
「3人一緒に来たんですか、仲良いですね。」
上がってくださいと促しながらそう言うと
「俺と研磨は一緒に来たけど木葉とはさっき道であっただけだけどな。」
と黒尾さんは靴を脱ぎながら答えた。
木兎さんと月島がいるリビングに案内する。
「おー!やっと来たな お前ら!」
「いやいや時間通りですけど?お前たちこそいつからいるんだよ。」
テンション高めな木兎さんが出迎え黒尾さんに話しかけた。
「まぁ?俺は昨日から一緒だし?」
「仲がよろしいことで」
バチバチだ…
やめて俺のために争わないで…!
なんてね、いいぞもっとやれ
「まぁまぁ、みんな揃ったことですし 座ってくださいよ。」
「そうだな…ってここ赤葦の家じゃないの?なんでツッキーはそんなふてぶてしいの?」
「てかお前!しれっと赤葦の隣座るなよ!」
「席は早いもん順でしょう?」
おぉ…月島も参戦したか。
でもそろそろ 言い争う大男2人が邪魔でいまだ入口から入れてこれてない木葉さんと研磨が可哀想だ。
「ほら、早く始めましょう。」
年に一度のクリスマスパーティーを。
「じゃあ早速ですがメインイベントのプレゼント交換をしましょう。」
全員が自分の用意したプレゼントを手に持ったところで曲を流す。
「止まったところで持ってたものが貰えるってことで。」
「おっけー」
次々に手渡されていくプレゼント。
だいたい3周したくらいで曲が止まった。
「じゃあ1人ずつ開けてこうぜ!」
木兎さんの提案で1人ずつ開封することになった。
「じゃあ木兎から開けてみろよ」
木葉さんに言われ木兎さんが可愛らしいラッピングを開けた。
それなりに大きめの袋の割には軽そう。
「なにこれ…トナカイ?」
「あっそれ僕のです。」
中から出てきたのはトナカイの角のカチューシャとふわふわした生地の服。
これを身につけたらトナカイになれるらしい。
「平均180越えの人達用探すの大変だったんですよ。」
と月島が言った。抜かりないな。
周りに 木兎着てみろよと言われ木兎さんがトナカイのコスチュームを身につけた。
「…なんか違う。」
商品のパッケージに描かれたイラストは可愛らしい感じなのに、なんか違う。
約185cmのトナカイはさすがに可愛くない。
「ひっでぇーな。でもほら、ふわふわだぞ?」
木兎さんが包み込むように抱きついてきた。
ふわふわしてて暖かい。
「木兎さん、ずっとそれ着ててください。」
え〜 と木兎さんが唸ってるうちに次に進んだ。
今座っている席の時計回りで開けていくことになったので次は木葉さん。
「おぉ、スポーツタオルと文房具だ!めっちゃ実用的!」
あぁそれは、
「俺のですね。」
「最初がトナカイコスとかパンチの強いやつだったから安心したわ」
「こういうのだろ、クリスマスプレゼントって」
誰に当たるか分からないからどんなのがいいか分からないしかなり迷った結果あれになったんだけど、
さすが赤葦!って言われたから良かった。
そして次は黒尾さん。
「サングラス?」
「それ俺の!俺の!」
冬にサングラスという独特なセンスの持ち主は木兎さんらしい。
「まだもう一個入ってるだろ?」
「ほんとだ…なにこの粉!?怖いんだけど!」
透明な袋の中に粉が入っていた。あれは一体…?
「それはなプロテイン!どの味がいいか迷ったから全部混ぜてみた!」
「なるほど…ってなんで混ぜたの!」
またもやなかなかのプレゼント。
次は研磨が開ける。
他より少し小さめの箱が綺麗に包装紙に包まれている。
中からてきたのはクリスマス柄のマグカップ。
「ザ クリスマスプレゼントって感じだな。」
「普通に助かる。」
「それ俺の〜」
マグカップは木葉さんのとのことだ。
「それ買う時さ、『彼女さんへのプレゼントですか?だったらこっちはどうでしょう』ってペアのマグカップをめっちゃ勧められて『友達のなんで』って言ったのに『まだ友達なんですね。だったらこれを2つ買っていかれては』とか言われて結局なんか2つ買うはめになったんだよね。」
「店員さん、彼女いる前提で話しかけてくんの?」
「でも木葉普通に彼女いそうだよな。実際いないけど」
「なんでお前らはいない前提で話してくるんだよ。いないけどな!」
3年生同士で木葉さん弄りをしだした。
「そうだ、もう一個の黒尾にやろうか?孤爪と仲良いだろ?」
と木葉さんが言うと今まで黙って見てた研磨が口を開いた。
「京治のがいいと思う…クロはすぐコップ割るから。」
「そうなの?まぁ孤爪に任せるわ!」
もう1つのマグカップの入った箱を木葉さんが研磨に渡すと研磨は俺に渡した。
「これでお揃いだね。」
という囁きは俺と研磨の間にいた月島にしか聞こえてないだろう。
そして次に開けるのは月島。
袋から取り出されたものを見て皆 口を揃えてこう言った。
「可愛い…」
袋から出されたのは可愛らしい猫のぬいぐるみ。
これこそ彼女へのプレゼントとかならかなり喜ばれそう。
ちょっと目付きが悪い気もするけど可愛いぬいぐるみだ。
「これちょっと赤葦さんに似てません…?」
「だろ?俺も買う時思ったんだよ。」
そう名乗り出たのは黒尾さん。
え…?俺に似てるの?この猫…?
「赤葦さんだと思って大事に育てます。」
「いや育てなくてもいいから」
月島のボケは置いといて、ラストは俺だ。
「開けますね…….」
開ける前は軽くて柔らかくてブランケットか何かかと思ってたんだけど…
「サンタの服?」
「ただのサンタコスじゃないよ。ちゃんと開けてみて。」
そう言ったのは研磨だ。
最後のこのプレゼントは研磨からの…
「なんで、スカート?」
「ミニスカサンタコスだよ。良かった、京治なら似合うから大丈夫だよ。」
いやいや、それはないだろ。
っていうかこの流れはまさか…
「赤葦、お着替えしましょうね〜」
「ちょっ…やめてください」
木兎さんのトナカイとは訳が違う。
「絶対に嫌ですから!ほんとにやめ…」
「木兎さんも研磨も嫌いです。」
2人がかりで無理やり着替えさせられた。
「ごめんってあかーし、俺もトナカイだから許して…?」
トナカイだからって何?意味が分からないし…
「大丈夫だよ、京治。似合ってるってば。ね、木兎さん?」
「おう!」
いや、そういう問題じゃない。
「もういいです。着とけばいいんでしょう。」
「ちょっと赤葦、脚閉じて!パンツ見えてる!」
「でも研磨は許さない…」
「怒った京治も可愛いよ。」
だめだ、話が通じない…
「っていうか研磨、いつの間に赤葦とそんな仲良くなったの?名前呼びだし…」
黒尾さんの言葉に木兎さんも賛同した。
「それな!ミニスカサンタはありがたいけどちょっと赤葦に近すぎ!」
「同じ2年生なら普通でしょ」
「でも他の奴らとは…」
「京治とは特別仲がいいからね。」
うわっ木兎さんの視線が痛い。
お仕置きコースで済めばいいけど愛想つかされたら嫌だから後で機嫌取らなきゃだな…
プレゼント交換が終わり、月島の買ってきたケーキを切り分けてみんなで食べた。
ゲームしたりしてるうちにあっという間に暗くなってお開きになった。
みんなが帰った部屋の中を片付けていると何か袋を見つけた。
忘れ物かなと思い中を覗いてみるとマフラーとメモが入っている。
『赤葦へ メリークリスマス 今日はありがとう』
この字は…
俺は直ぐに電話した。
「もしもし?」
「もしもし。あのプレゼントって黒尾さんですよね。」
「気づいた?」
「この間誕生日にもプレゼント貰ったばかりじゃないですか…」
「気にすんなって、お前寒がりだからよかったら使って。じゃーな」
結局、木兎さんからも黒尾さんからもプレゼント貰っちゃったし、お返し用意しないとな…
月島とケーキ食べに行く約束もしちゃったし…
俺の財布事情はまだ解決しなさそう。
でも今日は本当に楽しかった。
みんながずっと俺のこと好きでいてくれますように。
俺は心の中でサンタにお願いしてみた。
クリスマス編 end.