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姉や兄がいると年下の恋人を好み、妹や弟がいると年上の恋人を好む…みたいなことを聞いたことがある。

確かに俺の親は父ちゃんのが年上で母ちゃんは妹がいて父ちゃんは兄がいるし、1番上の姉ちゃんの彼氏は年上ばっかだ。

俺は末っ子だから年下の赤葦が好きなのかな〜ってまあそこだけじゃないと思うけど。

じゃあ一人っ子の赤葦はどうなるんだろうってふと思ったんだ。

だから赤葦に聞いてみたんだけど

「その考え方でいくと一人っ子は同い年になるんじゃないんですか?」

って…

赤葦は同い年が好きなの?

赤葦と付き合って数ヶ月経ったがまぁそれなりに恋人らしいことはしてるつもりだ。

でも始まりは俺の告白からで…それも片思いのところにつけ込んだみたいな感じだし…

もしかして俺、そのうち捨てられるんじゃ…

捨てられるならまだいい。

誰かに奪い去られたりでもしたら…

黒尾は元々両片思いだったし、月島にはセンセンフコク?されたし、孤爪となんか仲良いししかも同い年じゃん!

これはまずい。

もっとテッテー的に良い彼氏アピールと周りへの威嚇をしていかなくては…



次は移動教室で2年生のフロアを通る。

赤葦に会えるかな〜

「あかあッ…」

赤葦を見かけて声をかけようとしたら誰かと話しているようだった。

まだ距離も離れてるし赤葦も気づいてない。

ここは一旦同級生とどんな感じに接してるか確認しておこう。

赤葦の色気はやばいからな!セクハラせれてたら大変だ。

「…..だよね。いや〜本当に青木と同じクラスになれて良かった。」

「赤葦 それ4月も言ってたな。まあ俺も良かったとは思うけど」

「でも出来れば来年も同じがいいな。3年生だしほら、卒業式とか…」

隣にいるのはサッカー部の次期エースと言われてる青木だ。

同じクラスで良かったとか来年も同じクラスがいいとかそれは友達として…だよな?

てか距離近くない?なんか赤葦クラスではいつもあいつといる気がする。

いやいや、でもただの友達だろ。そうに違いない。

「あれ、木兎さんだ。移動教室ですか?」

そんなことを考えてるうちに赤葦の真ん前を通りかかっていたようだ。

「おお、赤葦!そうそう!今から理科室!」

「そうなんですね。いってらしゃい」

「行ってきます!」

何今の、いってらしゃいって夫婦っぽくない?

ホント赤葦天使…ってそうじゃなくて!

やっぱりあいつ、青木は要注意人物だ。

同い年で同じクラスで仲良くて次期エース…

赤葦は絶対に俺のもんだ。



「なぁサッカー部の青木って知ってる?」

「2年の?知ってるも何もあいつお前の次くらいに有名だろ。」

3年が学年集会で少し遅れた今日、1・2年は既に部活を始めているので部室には3年のみ。

俺は隣のロッカーで着替える木葉に話しかけた。

「お前がバレーと赤葦以外に興味持つなんて珍しい…で、そいつがどうしたんだよ」

「悪い噂とか知ってたりする?」

「マジでお前何企んでんの?俺を共犯者にすんなよ!?」

「そんなんじゃないって!ただ赤葦と仲良いから心配なだけ!」

「なるほどね…まぁ悪い噂って言っても彼女取っかえ引っ変えしてるみたいなのくらいしか聞いたことないけどな〜」

取っかえ引っ変え…

赤葦、狙われてる?

「でも有名だと事実無根ってこともあるよな。木兎だって色々言われてるし」

「ウソ!?何それ!?」

でも今はそんなことより赤葦だ。

「木葉、サンキュー!じゃあ俺先行ってるから!」


「赤葦!」

「木兎さん!今とりあえず基礎練やってもらってました。今日どうしますか?」

俺の代わりに指示を出していた赤葦が駆け寄ってきた。

子犬みたいで可愛い。

「そうだな、今日は…」

良く考えればクラスが同じとはいえ部活も違うし相手は次期エースだ。

同じ部活で現エースの俺には敵わないだろう。

焦る必要は無さそうだな。



今日は練習試合の翌日ということで部活は休みだった。

普段は約束せずとも赤葦と一緒に帰れるけど今日は約束しとかないとな。

『今日一緒に帰れるよな?門の前集合でいい?帰りにどっか寄ってく?』

赤葦にメールを送信してしばらく経ってから返信があった。

『授業中にやめてください。あと今日は予定があるので一緒に帰れないです。すみません。』

赤葦に断られるとは思ってもいなかった。

赤葦だって予定の一つや二つあって当然だよな…

了解と書かれたスタンプだけで返すとちょうどチャイムが鳴り授業が終わった。


「木兎じゃん。1人?赤葦は?」

赤葦の靴箱を確認したらもう学校にいないことがわかったので門に向かっていたら木葉に会った。

「今日は予定あるからって」

「なら一緒にラーメン行く?バレー部のヤツら結構来るけど…」

「んーいいや。赤葦見に行くし」

「赤葦予定あるんじゃないの?」

「うん。だからこれで」

俺はスマホの画面を見せる。

「一応聞くけどそれ赤葦は知ってんの?」

「わかんない。この前部室にスマホ置いてあったから入れといた。」

「勝手にGPSとか…俺は知らないからな!」

そんなにおかしい事かな?って聞こうと思ったけど木葉は直ぐに去っていってしまった。

ま、いっか!

GPS情報によると赤葦は家に向かって歩いてるっぽい。

急いで追いかけよう。


道の先に赤葦をみつけ見つからないように後をつける。

ただ予想外だったのは赤葦が1人ではなかったこと。

一緒に歩いてるのは…青木だ。

確か今日はサッカー部もないんだっけ。

そうこうしてるうちに2人は赤葦の家に入っていった。

焦る必要はないとか言ってた馬鹿な俺を殴りたい。

これはさすがにアウトだろ。

「もしもし、赤葦。今すぐ会いたい。」

「え?木兎さん?俺今日は予定があるって…」

「俺より大事な用なの?」

「それは…」

「今お前の家の前にいるから早くして。」

少々冷たい言い方になってしまったが仕方ない。

赤葦は誰にも譲らない。

扉があいて赤葦が顔を出した。

「木兎さん、本当に来てたんですね。あの、外じゃなんですし家上がりますか?」

言われるがまま玄関に入った。

赤葦以外の靴がある。

「誰か来てるの?」

もちろん見てたから知ってるけど。

「友達が…」

「予定ってそれ?」

赤葦は頷いた。

「ふーん。で、何してたの?」

「あの、木兎さん…なんか怒ってますか?」

「答えて」

「ノート写させてほしいって言われたので帰りに呼んだだけです。」

きっと本当なんだろうけど俺には言い訳のように聞こえた。

「赤葦は誰でもいいの?俺のこと好きじゃないの?」

「何言って…」

「やっぱり同い年のが気が合う?」

「さっきから何の話してるんですか!」

赤葦にそう言われ我に返った。

「あ、ごめん…でも赤葦が前、一人っ子は同い年が好きって言ってたから…俺 心配で」

「それはあくまでそうなんじゃないかって話で…しかも木兎さんちゃんと俺の話聞いてなかったでしょ」

「え?」

「俺、あの後 『でも、俺が好きなのは木兎さんですよ。』って言いました。」

…そう言われてみれば確かに言ってたかも。

「じゃあ赤葦は俺のこと好き?」

「当たり前です。じゃなきゃ付き合ってないです。」

なんだ、俺の勘違いだったのか。

あれ、でも…

「青木に同じクラスで良かった〜って言ってたじゃん。」

「それも聞いてたんですか…」

赤葦が言うには

「赤葦」ってほぼ確定で出席番号1番なんですよ。1番だと何かと最初にやらされることが多くて…

ただ「青木」がいれば2番になれるじゃないですか。

来年、1組の1番にでもなったら卒業証書の時責任重大でしょう?

とのこと。

「なんだ〜良かった!俺、赤葦に捨てられちゃうかと思った〜」

「そんな訳ないじゃないですか。俺が木兎さんを捨てるとしたらあなたが俺を好きじゃなくなった時ですよ。」

「んー?よくわかんないけど、俺帰るな!邪魔して悪かった…」

「待ってください。もうノート写し終わるでしょうし、俺 木兎さんと一緒にいたいです。」

赤葦のおねだりに抗えるわけもなく俺は青木が帰るのを待った。

青木は申し訳なさそうに帰って行った。

あいつは多分赤葦のこと友達としか思ってないし赤葦の眼中にも無さそう。

俺の取り越し苦労だったけどちゃんと確認できて良かった。

ねえ、赤葦。

俺知ってるよ。

赤葦が人を選んで色目使ってること。


赤葦くんは愛されたい

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