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第三十八章
独りじゃない
―繋がる想い―
どのくらい時間が経っただろうか。実質5分くらいだろう…でも待っていた皆は何時間にも感じていた…ゆっくり食堂のドアが開いた
琥珀がいつものように明るく声をかける。
「煉華、おかえり」
詞葉が椅子を引く。
「ここ、煉華ちゃんの場所です」
蒼紫が静かに言う。
「無理をしなくていいわ」
その全部が優しい。
でも今の煉華には、それが刺さる。
何よりも重たく抉ってきた
「……やめて」
「え?煉華ちゃん?」
「そんなに優しくしないで……」
「煉華?」
「だって……私、まだ何も失ってないのに……」
「……」
「もう、みんなに気を遣わせてるじゃない」
「それは朱雀の巫女さまが私って不幸。可哀想オーラを出していますから」
にっこり悪びれることなく羅刹は言った
「!!っ…私は、そんな、っ」
「全くない!…断言できますか?朱雀の巫女さま…朱雀の巫女さまが私って可哀想オーラを出しているつもりはなくとも感じとってしまった…だから巫女さま方は細心の注意を払った…それが答えです」
羅刹の声は優しく穏やかだった。でも、その言葉は重く冷たく煉華にのしかかった
「ね、煉華…私はまだ…何もなっていない…だからあなたを慰めるなんて、できない…でも…隣に座って一緒に星を眺めたり…話したりできるよ…だから…独りじゃないよ煉華…」
蒼紫はそっと肩を抱き優しく背中を撫でた
「そーだよ煉華。大丈夫!煉華は1人じゃない!あたし達が居るよ。一緒に泣いて笑って一緒に帰ろ」
琥珀はにこっと明るく元気な笑顔を浮かべ煉華の頭を撫でた
「煉華ちゃん。これからもたくさん、お話しましょ?たくさん笑いましょ?大丈夫です。私達は、ずっと一緒ですよ。煉華ちゃん」
詞葉は優しく笑ってみせた。みんなの言葉が絡まり落ち込んだ煉華の心を解し優しく救いあげた
――独りじゃない
みんながその言葉に救われた
コメント
1件
煉華の「まだ何も失ってないのに」っていう言葉、すごく刺さりました。羅刹のあの「可哀想オーラ」って指摘も痛いけど的を射てて。でもその後に続く蒼紫さんの「隣に座って星を眺める」とか、みんながそれぞれ違う優しさで包み込むシーン、じーんと来ました。独りじゃないって、こうやって実感するんだなあ。読み終わってあったかい気持ちになれました。素敵な話をありがとうございます🌷