クララ「入間ち,鳴ち,おっはよーう!」
玄関扉を開けると門の前にクララの姿があった
朝から元気だ
アズ「ご迷惑かと思ったのですが,ウァラクがどうしてもと……」
隣でアズが畏まっている
一緒に登校しようと2人が迎えに来た様だ
入間「いいよ,いいよ!準備してくるね!」
私達は急いで屋敷の中へ戻った
教科書や筆記道具を鞄へ詰め込む
魔界での生活も学校も慣れて来た
それが良いのか悪いのかは分からないがな
サリバン「いやー,よかったねぇ,鳴ちゃん!入間くん!」
おじいちゃんが声を掛けてくる
今日は大事な会議があるらしく,おじいちゃんも一緒に登校するらしい。理事長だものな
おじいちゃんはお茶を呑み乍らニコニコと笑って
サリバン「ふたりも,おトモダチができて!」
入間「……え?」
入間はきょとんとした
入間「えッ!?いやっ,あのふたりは友達というか……よくいっしょに遊んで,気軽に話すってだけで……!」
其の発言に私は首を傾げる
『それを友達と云うのでは無いか?』
入間「でっ,でもっ。ふたりがどう思ってるか,わからないし……」
ふむ,悩んでいるな
『種族は関係ないだろ』
そう云うと入間は笑った
アズ「いよいよ午後には,クラス発表がありますね!」
学食堂へ通じる廊下を歩きながらアズが云った
アズ「これから先の学園生活を,どんな仲間と過ごすことになるかが決まるのです
いまごろ学園の教員たちが,会議を行っているはずですよ」
入間「そ,そうなんだ……」
入間は上の空で答えた
アズ「時間もありますし,学食でなにか食べていきましょう
新入生は,まだ学校内を自由に行き来できませんが。授業が始まれば,ほかの施設も開放されるんですよ」
入間「さっ,サヨウデスカ!」
アズに話し掛けられて入間はビクッとした
アズ「?どうなされたのですか?入間様」
クララ「入間ち,朝から様子がヘン〜」
『ほんの少しだけ具合が悪いだけだ
だが,大丈夫らしい』
入間の顔は晴れない儘だ
アズ「なにか,悩みごとでも?入間様」
入間「ううん。ちょっと,考え事してただけだよ」
アズ「さすがは入間様です
深遠な思考に没頭されてらしたのですね
しばし休まれて,食事といたしましょう」
入間「う,うん!ごはんにしよう!」
私達4人は学食堂へ入った
広々としたホールに並んだ長テーブルのあちこちに生徒たちが食事をしている
漂う匂いに入間の腹の音が鳴った
クララ「私,でろでろランチ!」
テーブルを陣取りながらクララが云う
『ふむ,メニューが沢山だな』
入間はテーブルに置かれたメニュー表を広げた