TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

22話 「裏切りの囁き」


王都に戻った翌日、俺たちは軽い依頼を受けた。

内容は「市場通りの倉庫まで荷物を運ぶだけ」というものだ。

街中の仕事は危険が少なく、足慣らしにはちょうどいい。


荷物を抱えながら市場を抜けると、香辛料の匂いが鼻をくすぐる。

ミリアが「あっ」と声を上げ、露店に駆け寄った。

「これ、村では手に入らない果実酒だよ!」

ルーラも興味ありげに瓶を覗き込む。


和やかな空気のまま倉庫に荷物を届け、依頼は無事完了――のはずだった。

帰り道、俺は裏通りの方から聞き慣れた声を耳にした。


「……納品は明日の夜だ。値は上がっても構わん。あれは“特別品”だからな」


覗き込むと、黒い外套の男が二人、低い声で話している。

その足元には小ぶりな檻。中の影は薄暗くて見えないが、鎖の擦れる音がした。


俺が耳を澄ませていると、後ろからミリアがそっと囁く。

「……聞こえた?“奴隷市”って」

ルーラの表情がわずかに固まる。


黒外套の男たちは話を終えると、檻を載せた荷車を押して奥の路地へ消えた。

通りに残ったのは、湿った石畳と、どこか血の匂いを含んだ空気。


「……探るか?」

俺の問いに、ミリアは頷き、ルーラも黙ってついてくる。


この時はまだ、俺たちが踏み込もうとしているのが王都の最も暗い場所だとは、知る由もなかった。



『世界最強だけど昼寝がしたい』

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

31

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚