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タイトル:馴れ馴れしい奴


春の午後、バートはいつものスケートパークでスケボーを楽しんでいた。風を切って滑るスピードと、トリックを決める快感に夢中になっていると、横から声がかかった。


「へえ、なかなかやるじゃん。でも俺の方がもっと上手いけどね」


その声の主は、彼より少し背が高く、黒髪で元気そうな少年だった。バートは驚いてスケボーを止め、その少年をまじまじと見つめた。


「なんだよ、君、誰?」バートは警戒心を抱きつつ尋ねた。


「俺?フランクってんだ。転校してきたばかりなんだよ。んで、スケボー見てたけどさ、君、まあまあだな」


フランクは堂々とした態度で、バートのスケボーのテクニックにあれこれ口を出し始めた。馴れ馴れしさがやや鼻につくが、どこか嫌いになれないところがあった。


「俺の方が絶対に上手いけどな!」フランクは自信満々にスケボーを持ち上げてみせた。


「だったら勝負してみるか?」バートは少しムキになりながら言い返した。


「いいねぇ、望むところさ。条件は簡単。先に5つのトリックを決めた方が勝ちってことでどう?」


バートは手を打ち、スケートパークの皆が見守る中で勝負が始まった。まず、フランクが軽やかにスケートボードを蹴り出し、「キックフリップ」を決めてみせた。完璧な着地に観客からは歓声が上がる。


「どうだ、簡単だろ?」フランクはにやりと笑った。


「それくらい俺でもできるっての!」バートもキックフリップを見事に決め、互角のスタートを切った。


次にフランクは「360フリップ」を決めて、またもやバートを挑発するような目を向けた。バートは少し焦りつつも、自分の腕を信じて同じトリックに挑戦した。見事に成功し、両者の競り合いは白熱していった。


4つ目のトリックまで来ると、ふたりとも汗だくになっていたが、どちらもミスをすることなくトリックを決め続けた。互角の戦いが続く中、観客の興奮は頂点に達し、応援の声が飛び交った。


最後の5つ目のトリックが勝負の決め手となる。フランクは少し疲れた表情を見せながらも、バートに向かってこう言った。


「見せてやるよ、俺の本気を!」


そして、彼は高度な技「ノーズスライド」を披露しようとしたが、タイミングを誤ってバランスを崩してしまった。惜しくも失敗し、彼は悔しそうにスケボーから降りた。


「クッソー、失敗しちまった…」


「フランク、そっちのほうがずっとかっこ悪いぜ」バートは笑いながら言い、同じ技に挑んだ。フランクが失敗したトリックを成功させ、見事に勝負を決めた。


「…まいった。お前、案外やるじゃん」フランクは負けを認め、バートに手を差し出した。


「ふふ、悪くないだろ?」バートはその手を握り返し、ふたりはお互いの健闘をたたえあった。


勝負の後、ふたりはスケートパークの隅で飲み物を飲みながら話し始めた。フランクは家族のことや、転校してきたばかりで友達がいなかったことなどをバートに話した。バートもいたずら好きな自分のことや、リサとの兄妹喧嘩の話などを披露し、ふたりは気が合うことに気づいた。


「なんだ、結構いいやつじゃん、フランク」バートは最後に言った。


「お前もな、バート。俺たち、いいコンビになれるかもな」


その日、馴れ馴れしく感じたフランクが、バートにとっての新しい友達になる予感がした。




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