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((夕方。帰り道。人気のない公園のベンチ。ふたり並んで座っている))
🐶「ヒョン、さっきの続き……話してくれる?」
🐰「ああ」
🐶「“誰かを傷つけるのが怖い”って……どういう意味?」
🐰「……前に、付き合ってたやつがいたんだ」
🐶「え……」
🐰「俺、そいつにちゃんと向き合えなかった。素直になれなくて、結局、俺から距離を取った」
🐶「……」
🐰「あとになって、そいつが学校やめたって聞いた。直接は関係なかったかもしれねぇけど……俺のせいだって、思った」
🐶「……ヒョン」
🐰「それから、誰かに好かれるのが怖くなった。自分がまた同じこと繰り返すんじゃないかって」
🐶「でも、俺はヒョンにそうされても離れたりしないよ」
🐰「……おまえは強いから」
🐶「違う。俺はヒョンが好きだから、絶対に諦めたくないだけ」
🐰「……」
🐶「傷ついても、傷つけられても、それでも俺はヒョンがいいんだよ」
🐰「そんなこと言うなよ……」
🐶「俺の気持ちは、もう止められないから」
🐰「……ずるいよ、おまえ」
🐶「ずるくても、そばにいたい」
🐰「……俺も、そう思ってる」
🐶「だったら――逃げないで」
🐰「ああ。逃げねぇ。おまえだけは、ちゃんと抱きしめたいって思った」
((🐰がそっと、🐶の肩に手を置く。🐶は小さくうなずいて、目を閉じた))