桃時「じゃあ次は橙と瑠璃人ね」兎白「頑張れ。二人共」
橙・瑠璃人「はい!・うっす!」
雨花「じゃあ行くよ!レディーファイっ!」
橙と瑠璃人は闘った。そして結果は……
桃時「勝者……」
「「瑠璃人!」」
橙「負けてしまいました。でも!瑠璃人さんも手加減せずにやってくれたので嬉しかったです!」
瑠璃人「?」
兎白「どうしたんだ?瑠璃人」
桃時「何か言いたいことあるの?」
瑠璃人「いや……さっき桃時と闘った時もそうだったけどよ。炊いた飯号は特別頑丈でも速くもないんだ。それなのにさっき橙と闘った時、橙の船より速く走れたのは何でだろうなって想ったんだよ」
兎白「どうしてだろうな……?」
桃時「何か秘められた力があるんじゃないの?」
橙「軍艦作れるくらいですからね」
瑠璃人「それなら説明書に書いてないのはおかしくね?」
雨花「…………」
瑠璃人たちはしばらく話し合っていたが、埒が明かなくなり、とうとう決戦が始まった。
瑠璃人「さぁ!雨花!」
雨花「何ぞな?」
瑠璃人「絶対手加減すんなよ!絶対に!ちゃんとオレと闘えよ?」
雨花「はいはい」
兎白「では、行くぞ。レディーファイっ!」
オレンジ丸号と炊いた飯号が水面を走り出した。
桃時「今のところ互角ね」
兎白「どうなるんだ……」
橙「観るかいがありますね」
雨花「……よし」
雨花がそう呟くと、オレンジ丸号から例ののこぎりが出てきた。
桃時「これまた雨花が勝つパターンじゃない?」
兎白「まだ分からないぞ?」
橙「そうですね」
瑠璃人「あぁ!!のこぎりがぶつかる?!」
雨花「…………」
炊いた飯号にオレンジ丸号ののこぎりがぶつかる瞬間……
ピキンッ!
瑠璃人「え?」
兎白「なっ」
橙「こんなことって……」
桃時「嘘でしょ。オレンジ丸号ののこぎりが……」
「「折れた?!?!」」
雨花「あら。のこぎりが折れたせいで機動力が停止しちゃった」
瑠璃人「よ、よし!このまま走れ!炊いた飯号!!」
炊いた飯号はそのまま走り、そして……
兎白「決戦の勝者……」
「「瑠璃人!!」」
橙「とうとう雨花さんに勝った!」
桃時「良かったわね!瑠璃人!」
兎白「お疲れ様。瑠璃人」
瑠璃人「やっと勝てた!!雨花に!!イェーイ!!」
雨花「良かったね。瑠璃くん。小雨丸も役に立てたし」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「え?」
雨花「小雨丸〜」
雨花がそう呼ぶと、炊いた飯号の中から小雨丸が出てきた。
雨花「よしよ〜し」
「ミ゚ー」
瑠璃人「ちょ、ちょっと待てよ。じゃあオレが雨花に勝てたのは……」
橙「小雨丸さんのおかげだったようですね」
兎白「つまり……」
桃時「雨花のおかげってことね」
雨花「小雨丸〜後でご飯あげるからね〜」
瑠璃人「おい!!雨花!!オレ言ったよな!「ちゃんとオレと闘えよ?」って!」
雨花「でもそれを言われたのは、小雨丸を船に潜入させた後のことでしょ?それ以前に潜入させたんだから無効なんじゃない?」
瑠璃人「ち、ちくしょう〜!!」
橙「大体どうして炊いた飯号に小雨丸さんを潜入させたんですか?」
雨花「あぁ。最初に船を触った時、この船には短所もない代わりに長所もないことに気づいて、これだと一方的な試合になるから。だから小雨丸を潜入させたんだよ」
桃時「なるほど。それが結果的に小雨丸のパワーのおかげで本来弱かったはずの船がスーパーストロングマシーンになったってことね」
兎白「しかも雨花。触っただけでこの船のこと全て分かったのか……流石だな」
雨花「えぇー!ごめんね!瑠璃くん!余計な気遣いだったね!」
瑠璃人「全くもってその通りだぜ!オレは勝たせてもらっただけってことになるじゃねぇか!」
雨花「帰りにさ!ポテトLLサイズ奢るから!」
桃時「そんなんで納得したら単純も良いとこ……」
瑠璃人「ふん!それなら仕方ねぇな!許す!」
桃時「単純だったわ。これ以上ないってくらい単純だったわ」
橙「ふふっ、では、帰りはハンバーガー屋さんに寄っていきましょう」
兎白「お腹空いたしな」
雨花「うん!行こ!」
こうして、瑠璃人主催のボートレースは終わったのであった。
ちなみに、ポテトはとても美味しかったそう。