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暫くして雲の絨毯を突き破ってドッグが地上から帰って来た。
「ただいま」
雲を突き抜けて跳ね上がる様に飛び出したかと思ったらすとんと着地、わたあめのような雲の上に背の高い暗黒の男が夢のように現れた。 「あっドッグお帰りっ♡」
「こら僕から離れれろ、まだ呪いは解けてないんだぞ、エンボス加工になってるぞ」
神に迂闊に近づくなかれ、
ドッグはお気に入りの烟管をくわえて指先で青い炎を点火した。
椅子に深々と腰掛けて紫煙を吐いて疲れを抜き取ろうとしているようだった。
燐寸も灰皿もない円卓の上に烟管を置くと少し伸びをして白い息をひと吹き鼻から抜いた。
エロ鹿はこの匂いが好きでたまらなかった。
鼻をくんくんして「んーっ今日はペパーミントだね」天国の煙草は地上のそれとはまったく違う性質のもので単なるハーブで身体に害は全くない。
それでも子供は吸ってはいけません。
「僕はもう寝ます」項垂れて大分疲れた気色のドッグ。
「もう寝るのぉ…ご飯はぁ?」遠慮して小さな声で聞いてみた。
「明日にする」
「お風呂はぁ?」
「明日にする」
「ちぇ…」
エロ鹿がトランクの中身を確認すると空虚だった。
「収穫なしかぁ」がっかり。
「もうちょっとでベラを捕まえられそうだったが…逃げられた」
「あいつ逃げ足だけは早いからな」
「んぬ」
「疲れたんだね…お休みドッグ」
「愛してるよエロス…ちゅっ」
「ぽっ」エロ鹿は全身真っ赤になった。脚がもじもじ返事をした。
「ぐおっ」ドッグは欠伸に襲われて直ぐに寝入ってしまった。
「ドッグいつも大変な思いさせてごめんな。俺がベラより超かわゆくてセクシーでモテモテだったからぁ…ベラの嫉妬かってしまってぇ…ぐすん」
エロ鹿は人型の時は全く女の姿をしていても全く男らしい性格でドッグ以外の前では♀を意識したことなどなかった。
灰猫