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ぷりっつ視点
2人で手をつなぎ、線路の上を歩く。
田舎なので、ダイヤは数時間に1本のペースのようだ。
何もない田園風景をひたすらに莉犬君と2人で進んでいた。
俺が莉犬君と出会ったのは幼稚園、4歳の時。
一目惚れだった。
友達になろうって言ったら、ぱぁっと花が咲いたように笑顔になって、「うん!」って言ってくれたんだ。
俺は片親で友達が一人もいなかったから、とてもうれしかった。
そこからは幸せだった。
2人で秘密基地を作って、1日中遊んだ。
でも。
あの時俺は、幸せは長続きしないことを思い知った。
小学四年生になる少し前。
莉犬君から「お父さんが急にお金を使い始めた。」と言われた。
それだけだったらよかった。
後日、夜職をやってる母親が家に男を連れ込んだ。
その男の顔を見て驚いた。
あまりにも莉犬君にいていたからだ。
俺の中で全てがつながってしまった。
俺の母親が、莉犬君のお父さんをたぶらかして貢がせていたようだ。
俺は莉犬君に何度も謝った。
莉犬君は親のことだから仕方ないよって言ってくれた。
幸い、俺たちの関係が変わることはなかった。
数週間後、莉犬君の体にはあざが出来ていた。
わけを聞くと、夫がほかの女に入れ込んでると気づいた莉犬君のお母さんは、精神を病んでしまったらしい。そこから、だんだんと莉犬君にもあたるようになってしまった。
一方、俺の母親は家に帰ってくる事が少なくなった。前までは仕事の前に帰ってきていたのに。
特別同じ時間を過ごすことはなかったし、ろくな会話も、世話もしてもらった記憶もない。
慣れてはいたが、当時の俺は寂しさが勝っていた。
不倫相手の息子と、不倫された側の息子。
傍から見ると仲良くしているのはおかしいのだが、それでもずっと2人でいた。
小学6年生の夏休み明け、なぜか俺らの家庭事情が1人のクラスメイトにばれた。そこからどんどん広まって、いつの間にか俺たちは距離を置かれるようになった。
中学も同じ学校の人が多かったから、環境は変わらなかった。それどころか、遠巻きに陰口を言われたり、嫌がらせを受けたりもした。
先生に相談したことがあった。
でも、「まだ未熟だから仕方がない。これもコミュニケ―ションの1種だと思ってやってるんだよ。君たちぐらいの年頃だとよくあることだし、気にしすぎじゃない?」と、相手にされなかった。
やっと同じ中学の人がいない高校へ進学して、解放されたと思ったのに。
どう足掻いても、”幸セ”には届かない。届かなかった。
過去が明かされました。考えながら書いていたので、めちゃくちゃ時間がかかりました。
別件ですが、今週中にすにすて(らおゆた)のイラストを公開します。
毎度、読んでいただきありがとうございます。
ご指摘やアドバイスがあれば下さるとうれしいです。
コメント
1件
えっ、ぷりっつ視点の過去編…めちゃくちゃ胸にくるよ😭💔 幼稚園で一目惚れしてからの幸せな日々が、両親の関係で壊れていく流れが切なすぎる…。それでも離れずに支え合おうとする2人が尊くて苦しいよ。「幸セには届かない」って一文に全部の想いが詰まってる気がする…エモすぎて言葉にならない…😢