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東京の、とある路地裏。
血の匂いが立ち込めるゴミの山の中で、瀕死の少年と、チェンソーの頭を持つ犬が倒れていた。
彼らの運命が尽きようとしたその瞬間、透明な光の膜が彼らを包み込んだ。
「……ここが、チェンソーマンの世界か」
スライム形態のリムルは、呆然とつぶやいた。彼の脳内には、絶対の相棒——シエルの声が響く。
『報告。個体名:デンジは心臓を損傷。致命的な状態です。個体:ポチタが自らの命と引き換えに契約を結ぼうとしています。……マスター、救済を開始しますか?』
「当たり前だ! シエルさん、サポート頼むぞ!」
『了解しました。対象:デンジの身体組織を完全修復。ポチタの『概念(チェンソーの悪魔)』を解析、契約構造を改変し、本来の寿命を保持したまま共生関係を樹立しました。ついでに、彼にまとわりついている「貧乏」という名の悪運も隔離・消去しておきました』
一瞬の光と共に、デンジはガバッと起き上がった。自分の体をさすり、信じられないといった顔でポチタを見つめる。
「あ……? 俺、生きてる……? 夢じゃねえのか?」
「夢じゃないぞ。ほら、まずはこれでも食え」
リムルが胃袋から取り出したのは、湯気を立てる特製テンペスト丼。香ばしい匂いに、デンジの目が飛び出さんばかりに輝く。
「……う、うめええええ!! なんだこれ、天国か!?」
その時、路地裏にパトカーのサイレンが近づく音。
マキマを筆頭とする公安のデビルハンターたちが、血相を変えて飛び込んできた。
「そこまで。君たちは何者? そして、この少年は……」
マキマの視線が、スライムのリムルと、元気になったデンジ、そしてポチタを捉える。
彼女の「支配」の力が、微かにリムルに触れようとした、その瞬間。
『警告。個体名:マキマによる精神干渉を確認。……低次元すぎるため、自動防衛(レジスト)を解除する必要すらありません。……マスター、介入します』
シエルさんが告げるやいなや、リムルの懐から、金色に輝くIDカードが現れた。
「あー、マキマさん? 俺は今日から君たちの顧問になったリムルだ。よろしく」
リムルはスライムの姿から、銀髪の少年の姿へと擬態を解いた。
マキマは一瞬戸惑った顔を見せたが、すぐに笑みを浮かべた。
「おや、それは初耳ですね。ですが……」
マキマが背後の部下に何か指示を出そうとした瞬間、彼の携帯が鳴る。
部下が電話を受けると、顔色を変えてマキマに報告した。
「マキマさん! 内閣官房から緊急連絡です。……今日付けで、『特設対魔事案特別顧問』として、リムル様という方が配属されたと……。しかも、全権を委任されていると……」
「……そうか。これは失礼しました、リムル顧問マキマは微かに瞳を細めたが、それ以上は言わなかった。
(私の把握していない情報源から、私の支配すら及ばない存在……? 面白い)