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139 - 第139話 七の罪状 ~後編27 神を超えし者

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2025年06月21日

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************



それは突然の事。これまで『ネオ・ジェネシス』及び、一切反応を示さなかったエンペラーから、急に感知された生体反応。それも強制的に。



「――っな、何だよこれ……。どうなってんだ?」



訳も分からず、彼等が戸惑うのも無理は無い。



「そんな……」



エンペラーより弾き出される生体レベルは、今尚も上昇し続けているからだ。



“レベル『350%』――『360%』”



液晶に表示されたエンペラーの臨界突破第三マックスオーバーレベルは、雫のそれに迫ろうとしていた。



「おい、やべぇぞ! 今の内にケリ着けやがれ!! このままじゃっ――」



このまま雫のレベルを超えてしまいそうな勢いに、危機感を覚えた時雨は発破を掛けて促したが、自分でも馬鹿な事を言っているものだと思った。



そんな事は百も承知。エンペラーはあれ以来、何故か微動だにしない。



チャンスは今しか無い――筈なのに、雫は固まってしまったかのように動けない。



「くっ――!」



雫も今の内に攻めようと、エンペラーが何かとてつもない事をしでかす前に、終わらせようとするのだが――どうしても動けない。



雫が動けないのも分かる。時雨以下、自分達も己の意志とは裏腹に、全く動けないのだ。



それはまるでエンペラーから発せられる、得体の知れない何か。そう、例えば強烈な神気に充てられて、平伏さねばならぬ金縛りにでもあってしまったかのよう。



エンペラーの上昇は、尚も続く。



“『370%』”



完全に雫を超えてしまった。つまり勝ち目が無くなったも同意。



“『380%』”



まだ上昇していく。こんな馬鹿げた数値は見た事も聞いた事も無いし、絶対に有り得ない。だが機械が故障したとも思えない。



“『390%』”



最早ここまで来ると、悪夢を通り越して笑いが力無く込み上げてくる。



これは何か、質の悪い冗談だ――と。



表示された数字が『400』に到達しようとした瞬間――













“level399.99%over”







※※※※EMERGENCY※※※※




――全員のサーモより、一斉に警告音が鳴り響いた。これは臨界突破反応。だが何時もの警告音とは、何処か異なっていた。



ここまで危機感を煽る、甲高い不吉な警告音はこれまで聞いた事が無い。



「何だ? 何が起きるってんだ!?」



「サーモにもう一つの警告音、その先が有ったなんて……」



彼等が唖然とし、知らないのも当然。そもそも臨界突破に、その先の領域が在るなんて夢想だにしなかったから。



エンペラーの、そして雫の第三マックスオーバー。それでも現実味の無い数値だが、それがリミットだと思っていた。



だが現実は予想も常識も超える。



続けて独特の機械音声が、サーモよりアナウンスされた――



※対象者臨界値『400%』超を計測突破――



※『CODE:03990400』よりモードチェンジ――



※最終コード『コード:ファイナルナイン』を解除――





※※※※EMERGENCY※※※※





※本機はこれよりモード『インフィニティ』へ移行します――



※時空障壁崩壊及び宇宙法則乱入の危険度極大――



※ただちに大気圏外への離脱から最寄りの惑星もしくは――他天体へと避難してください――





※※※※EMERGENCY※※※※





「…………は?」



機械でありながら、危機感満載な音声ガイドに時雨が――全員が耳を疑った。



「何だよ……最寄りの惑星って? てか他天体って……えっ?」



「宇宙法則乱入って……どういう?」



聞き間違いでもなく、確かにそうアナウンスされた。



「はは……。何だよ、どういう事だよこれっ!!」



時雨が声を荒げるのも当然。仮にこのガイドが本当に事実だとして、それでどうしろというのか。



「…………」



既に悠莉は絶句している。というより、立ったまま気絶していた。



「お嬢!? おい、しっかり――」



ジュウベエが肩越しから揺するが、悠莉は瞳の焦点が合っていない。



恐らく、余りにも強烈な情報に充てられて、彼女の脳が事実を処理出来なかったのだろう。つまりショックで呆然自失。



――最早これは闘いとか、決着がどうのとか云う次元の話では無い。



これから何が起きるのか。これからどうすればいいのか――。思考は覚束ず、頭が可笑しくなりそうだった。



「くっ……」



相変わらず、雫は動けないまま。



そういえばレベルはどうなったと、恐る恐る時雨と琉月はサーモの液晶に目をやる。



見てはいけない気がする――が、自分達の置かれた状況は確認せねばならない。



それがどんなに絶望的であっても――



「――っ!!」



彼等は思わず絶句した。目を疑った。受け入れたくなかった。



「そんな……」



これがどれ程のものか。どれ程の差が在るのか、凡そ見当も付かない。



表示された液晶画面には――



――――――――――――――


※最終コード~臨界値400%超

※最終第四マックスオーバー

※モード:インフィニティ



対象level 494.94%



※危険度判定 ∞


――――――――――――――






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