「ここでは、応急処置や呼吸法、それから色々鬼殺隊についてをやります」
まあもちろん実戦型の稽古もしますが、と鳥柱は続ける。
「それから日の呼吸についてもお話ししましょう」
他の稽古の柱とは違い、口調が落ち着き払っている。
本当に年下なのかと思う。
「まずは、まあそこの書物を読みながら紐と布端のをやってください」
「まあ初歩的な事しかしないので。私が教えられるのは鬼殺隊の歴史だけです」
「それが出来た人から少しばかり手合わせでもするとしましょう」
「あの…どこに行くの?」
年下だと踏んで、敬語を使わず炭治郎は聞いてみる。
「これから沢山人が来るの。あと、神楽の練習に」
こちらに合わせて、鳥柱は、敬語を使わず話す。
なるほど、とおもった瞬間……
「ああ!?なんかつまんなそうだな!この文字なんて読むんだよ!」
「伊之助!」
急に伊之助がキレ出した。
それを善逸が止めようとする。
「図も!描いてあるのでそれでも見といてください」
ちょっと呆れたように伊之助に言うキョウ。
そして炭治郎に向き直って、
「聞きたいことがあれば本堂まで来てくださいね」
と言った。
炭治郎が「分かった!」と元気よく返事をしたのもちゃんと聞いてからキョウは去っていった。
「ねえ炭治郎」
紐をいじりながら、善逸が小声で話しかけてくる。
「どうした?善逸」
「あの鳥柱の鳳萊って人何者!?」
善逸の小声だったはずの声がどんどん大きくなっていく。
「巫女って……言ってたけど?」
そう答えると、
「そーじゃなくて!何か人間じゃない音なんだよ!」
さらに善逸の声は大きくなり、いつもの大声になっていた。
言ってる事は理解できなくも無いのだけど。
「あー確かに。人間とは違う匂いだった」
できればもう少し静かにして欲しい。
「あのチビ!妙にに変な雰囲気だった!絶対なんかあるぜ!」
伊之助もどうやら勘付いていたようで、3人で話していると、急に何かに頭を突かれた。
「いたい!」
「うわああああ!なになに!?やめてええ!」
「うおっ!痛った!なんだこいつ!」
「サボルナ!チャントヤレ!キョウヲオコラセルナ!」
突いてきたのは、さっき鳥柱と話していたあの鷹だった。
言葉も喋れるらしい。
鎹鴉みたいだ。
「でも、そんな取り乱すように怒る人には感じなかったけど……」
と言うと、隣に居た隊士が言った。
「怒るとな、柱はめちゃくちゃ強いんだぜ。一回怒らせてみろ。即死だぞ」
「ええ!強いのぉ!?でもまあ柱だからなぁ……。でもやだァ!」
隣に居る善逸が悲鳴を上げる。
「お前を気をつけろよ!」
そう言うと、その隊士はまた布をいじり出した。
鳥柱。
あの華奢な巫女が一体どのような戦い方をするのか、どんな風に強いのか……
なんだか無性に気になった。
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