テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
今回はそこそこ長いくせに歌詞回収要素少なめです、長編になる未来しか見えない
第一話(【1】)を読んでいらっしゃらない方は先にそちらをご覧ください。全ての注意事項を載せております。
必ずご確認くださいませ。
特に↓
ご本人様には一切関係ございません。ご本人様および関係者様に迷惑をかける行為はおやめください。
伏せ字にご協力をお願いいたします。
小説初心者の代物、全ては妄想で捏造
この話(【2】)に関しては、センシティブ、R要素を含みません。
途中、挿絵画像がございますが、自作したものですので無断転載等ではございません。
演者様(現話【2】)
myzm ki(💻💙) 「」
kgm hyt(🏢) 『』
本編中では伏せ字を行なっておりません。
それでは。
(💻💙視点継続)
「……ハヤトさん…?」『ふふ、おはようございます。そしてお久しぶりです、黛さん。今大丈夫ですか?』
くるくると回る金の光輪を頭上に携えたその人は、綺麗な笑みを浮かべていた。
しばらく惚けた後に急に我に帰る。
「…だ、いじょうぶではある、…じゃなくて、なんでここにいるの?」
『いや〜どうしてでしょうねぇ』
少し首を傾げてこちらに視線を投げる彼が何を考えているかなんて分からない。ただ唯一分かるのは。
「…ついに幻覚まで見えるようになったか。」
『いやいや、現実ですよ!!?』
なんと、この非現実的状況は幻覚ではないらしい。
『っていうか、今部屋入ってもいいですか、風強くて寒いんですよ』「えぇ…いいけど。」
先程までの鬱屈とした気持ちは突然の出来事のせいで大分吹っ飛んでしまった。窓に歩み寄り、その隙間を大の大人1人が通れるくらいまで広げる。
「どーぞ。」
『どうもありがとうございます』
軽やかに部屋に入ってきちんと窓をしめた彼は、再びベッドに座り直した僕に近づいてきた。
『元気にしてます?』「…!」
大きな両手が頬を挟んでくる。手袋越しに冷たくて気持ち良い温度が伝わってきた。思わずぴくりと反応してしまったが、それは彼にとってあまり問題ではないらしい。
お構いなしといった様子で、今にも顔と顔がぶつかりそうなほどの至近距離から観察するようにじっと覗きこまれる。
──綺麗なそのミルクティー色の瞳に目を奪われた。相変わらず、見つめるだけで幸せを確信しそうになるほどに温かくて甘い色をしている。
(…ここでキスをしたら、この人はどんな反応をするんだろう)
─── 一瞬、そんなことを思ってしまってはっと我に帰った。何を考えているんだ僕は。
「…コンタクト忘れたの?」平静を装いながら目を逸らし、そんなことを言うとくすくすと笑われた。
『まさか。ギャグセンスは顕在のようで何よりです』「おかげさまで。」
肩や腕も軽く触って調べられ、ようやく手が離れたかと思うと『部屋も寒いな』とか何とか言いながら暖房をつけられた。
『…あまり健康とは言えなさそうですけど。ライバーじゃなくても体調管理は大事ですよ』
「別に、ちゃんとしてるし。…ってか本当に何でいるの?ここ敷地内だし4階だし…あと何でsmc組のお揃い衣装?」
冷静に考え出すと疑問が湧いて出てくる。
「そもそも本当にハヤトさんなn」色々言っていると人差し指で口を封じられた。白手袋のなめらかな感触がする。
…っていうかこの人、こんなに距離感近かったっけ。直接逢うのが久しぶりすぎて覚えていない。
『まぁまぁ落ち着いてください。時間はたくさんありますから』彼は飄々とした態度で俺の質問に答え始める。
『まず来訪理由なんですが、簡単に言えば貴方を連れ戻すためです。その役割に黛さんと面識の深いわたくしが選ばれました』「…え」長い人差し指が離れ、真剣な顔でこちらを見つめられて声が漏れる。
『黛灰に、また2434systemを守っていただきたいんです』
「…それって運営の意向?嫌だよ、あれ別に俺が管理する必要h」『それについては長くなるので後でちゃんと説明します。あ、あとシンプルわたくしが黛さんに会いたくなってしまって、突撃しました』
「……そう。」
この人は昔からさらりとこういうことを言ってのけてしまう。そういうところがリスナーにも好かれているのだろう。
こっちの気持ちも考えてほしいものだ。
『次にどうやってここに辿り着いたかですが。普通に施設の正面から入って、1階からよじ登って来ました』屈託の無い笑顔でそう言ってのける彼に僕は思わず半目になる。
『何ですかその顔』「現実でそんな脳筋な攻略法できることある?その羽は飾りなの?」
『まぁわたくしですから。このくらいは全然余裕です』「バケモンだ…」
見事なドヤ顔をされてもこちらは呆れるしかない。流石のフィジカルというか、何というか。
『そしてわたくしの格好についてですが』「…うん。」
ハヤトさんがくるりと一周回るとひらりと外套がはためいた。ラベンダーと、バラ…いや、ゼラニウム?が重なったような上品な香りがただよう。香水の香りだろうか。少しの沈黙の後にハヤトさんはニコーっとした満面の笑顔を浮かべた。
『これは黛さんのサイバースーツのようなものなので。つまりはバフです』
「よじ登るためだけに着てきたってこと?…てかそんな設定無かったでしょ。」
『ww、まぁこちらにも色々と事情があるんですよ、色々。さて、そんなことより朝ごはんは食べました?』「…」
はぐらかされた。けど急展開と情報量の多さに圧倒されて、もうどうでも良くなってくる。
「…いや」
『食べましょう。おなかすきました。何か配達を頼んでおきますから黛さんはシャワーとか行ってきてください』
「えぇ…」『ほらほら』「…分かった。」
昔からどうにもこの人の押しには勝てない。
そうやっていつもの上着を着せられ、洗面所に行かされてしまった俺は言われるがままにシャワーを浴びて歯を磨いた。
風邪を引いても面倒なのでドライヤーで髪をきっちり乾かし、最後にピアスをつけて戻ると小さなダイニングテーブルの前にきちんと脚を揃えて腰掛けているハヤトさんがいた。
『おかえりなさい、ご飯届きましたよ』「早くない?」『昨今のデリバリーサービスはすごいですよねぇ』
のほほんとそう言うハヤトさんの向かいの椅子に座る。ダイニングテーブルの上にはカレーとご飯の入った大きい器があった。付け合わせに色鮮やかなサラダが付いてきている。
『微妙な時間帯ですし、とりあえずバターチキンカレーを頼みました。黛さん好きでしたよね』「!うん」
覚えてたんだ。久しぶりの好物にテンションが少し上がる。
「ありがとう。」『いえいえ』
そう言うハヤトさんの手元にあるのは半透明なスープ。鶏ガラとかだろうか。あとは水の入ったコップのみ。
「…ってかハヤトさんはそれしか食べないの?」
『…あー…恥ずかしながら昨日から胃の調子がちょっと良くなくて。いい機会なので軽く減量でもしようかと』
「へぇ。」『黛さんはちゃんと食べてくださいよ』「わかってるって」
軽く睨みつけると苦笑された。
(…あれ、)
一瞬、その表情が仄暗くなったような気がした。
見間違いかと目を瞬かせるとそこにはいつもの穏やかなハヤトさんがいた。やっぱり見間違えだったんだろうか。
『?どうしました?』「いや、別になんでもない。…いただきます」『いただきます』
二人揃って手を合わせて、スプーンを取る。カレーをすくって口に運ぶ。
「!!?あっつ!!」『っw wだ、大丈夫ですか?w』「…あまりに熱くてびっくりしただけ…」『あっはっはww』
想定以上の熱々具合に思わずかなり大きめの声をだしてしまった。はふはふと必死に冷ます。そんな僕の姿を見てハヤトさんは楽しそうに笑っていた。
『…美味しいですか?』僕が咀嚼して飲み込んだ頃を見計らってそう聞いてくるhytさんに頷く。
「うん、美味しい。」『それは良かった』
バターチキンカレーはとても美味しかった。熱々の鶏肉の柔らかい食感に、バターでまろやかになった濃厚な風味。一口目を飲み込んだ瞬間から、スプーンを口に運ぶ手が止まらない。
その合間にお行儀良くスープを口に運ぶhytさんは、何というかすごく絵になっている。軽い談笑を挟みながらもあっという間に食べ切ってしまった。
***
変なところで切れます、すみません
おまけ (ボツにした食事中の会話)
『黛さんって最近何してるんですか?』「最近は…本業と、あと資格の勉強したりとかしてるかな。施設の手伝いも続けてはいる」『おぉ。凄いですね』「ハヤトさんは?」『わたくしは本業と収録と打ち合わせと配信です』「だろうね。聞かなくてもわかってた」『ww、あとは何してます?』「謎ゲーとかFPSをひたすらやってる」『相変わらず生粋のゲーマーですねぇ』「まぁね、てかハヤトさんも人のこと言えないでしょ」『ふふ、確かに』
「smc衣装に羽差分とかあったんだね」『無いですよ』「え?」『これは前向きフェニックスの羽です』「なるほど…?」
「あ、ねぇちなみにこれいくら?」『……😊』「絶対高いご飯じゃん、俺も払うよ。」『わたくし、代表取締役ですから。それに久しぶりに再会できたお祝いに奢らせてください』「……そこまで言うなら。」
コメント
1件
天使どころじゃないです。神。