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夜の中庭。
黒い霧のような闇が、地面からゆらめいている。
あの日と同じ場所。
でも今日は違う。
💙「行こう。」
そう言ったのは ちぐ。
震えているのに、目はまっすぐだった。
隣に立つ あと は剣を握りしめる。
❤️「今度は守る。」
その声は、自分に言い聞かせるみたいだった。
まぜ は静かに魔力の気配を探る。
💜「闇は拒絶じゃない。閉じこもってるだけだ。」
理性的な声。でも、わずかに揺れている。
けち は無言で一歩前へ出た。
その背中は、迷いがない。
そして最後に、ぷり。
💚「……俺が、連れ戻す。」
誰よりも遅れて決意した人の声。
でも一番強かった。
闇の前に立つ。
冷たい空気。
息が白くなる。
ちぐがそっと手を伸ばす。
💙「待っててください。今度は——」
触れた瞬間。
闇が広がる。
視界が反転する。
世界が飲み込まれる。
目を開けると、そこは灰色の空間。
壊れた鏡が無数に浮かんでいる。
映っているのは——
嫌われたあき。
笑われたあき。
一人きりのあき。
💙「……ここが、あきさんの心。」
ちぐの声が震える。
鏡のひとつに、彼女が映る。
冷たい笑みを浮かべた悪役令嬢。
💛『どうして来たの?』
響く声。
本物じゃない。
でも確かに、あき。
突然、鏡が割れる。
あと の前に、あきが現れる。
💛『あなたは私を嫌った。』
❤️「……違う!」
あとが叫ぶ。
❤️「俺は、正しいと思ってた。でも……」
言葉が詰まる。
正義のつもりで、追い詰めた。
剣が震える。
一方、まぜ の前にも幻影。
💛『あなたは冷静だった。助けられたのに。』
まぜは目を閉じる。
❤️「分析して、様子を見て……動かなかった。」
けちの前には、沈黙するあき。
何も言わない。
それが一番、刺さる。
けちは拳を握る。
🩷「……言えばよかった。」
たった一言。
「やめろ」って。
最後に、ぷりの前。
本物のあきが立っていた。
黒いドレス。
冷たい瞳。
💛「今さら何?」
💚「……好きだった。」
ぷりの声は震えない。
💚「今もだ。」
空気が止まる。
あきは、笑う。
💛「婚約破棄したくせに?」
💚「怖かった。立場も、世間も。 でも一番怖かったのは——」
ぷりは一歩近づく。
💚「君を失うことだった。」
闇が揺れる。
あきの瞳が、わずかに揺らぐ。
ちぐは前へ出る。
💙「私は、あなたを敵にして安心してました。」
涙がこぼれる。
💙「でも、本当は……」
鏡が次々に割れる。
灰色の空間が軋む。
💛「あなたが一人なの、気づいてた。」
あきの声が低く響く。
💛「同情?」
💙「違う!」
ちぐは叫ぶ。
💙「隣に立ちたかったんです。」
沈黙。
闇が渦を巻く。
あきの足元から、黒い影が伸びる。
💛「……遅いのよ。」
でもその声は、少しだけ弱い。
闇が大きくうねる。
救えるのか。
それとも——完全に堕ちるのか。