テラーノベル
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番組収録自体は帽子を被り何とかなった。
午後からは各自の歌撮り、その後はラジオが控えているが、どれもごまかせるので大丈夫だろう。
明日以降はもう、マネージャー陣に任せるしかない。
「仁人」
収録後、歌撮りの為に少し休んでいると勇人が声をかけてきた。
他のメンバーは打ち合わせがあり席を外している。
「なに?まだ気になる?」
間隣に座る勇人に、仁人はスマホを弄りながらくすっと笑った。
「なぁ、こっち向いて」
「なんだよ、やだよ」
いつものように気だるげに返事をする。
「ねぇいいじゃん」
「やだってめんどくせー」
いつものような悪ノリ。いつもの冷たい対応。
「ふーん…」
いつもと同じような流れだと思ったのだけど
「…っ!ん…なに」
「ほんとふわふわしてんな」
最初に触れられた時とはうって変わって、大きな掌で頭全体を撫でられる。
耳を含む髪の毛までくしゃくしゃにされて仁人は抗議の眼を向けた。
「何すんだよ」
だが勇人からすると猫耳の成人男性が上目遣いに睨んでいるだけで何の威力もない。
むしろそのギャップに思わず口元が緩んでしまうのを感じた。
こんなかわいい姿、他の奴に見られたらどうすんだよ。
思わず言ってしまいたくなったがぐっと堪え、勇人は真剣なまなざしを向ける。
「これ、明日にはもっと猫化してたらどうすんの」
その言葉に仁人はドキリとした。確かにそうだ。
今日は耳だけだが明日は分からない。足、ひげ、鼻、しっぽ…
もしくは、全身?今朝は完全に猫化した方が良いと思ったが、これ以上悪化すると仕事も一切できなくなりそうだ。
“どうしよう”
そんな困惑がじわじわと伝わってきて、勇人は心の中でほくそ笑んだ。
まさかこんなにはっきりと結果が出るなんて思っていなかった。
こんなに可愛い姿になるなんて想像できていなかった。
あの日飲ませた怪しい薬が、今更効いてくるなんて。
「明日朝起きて問題があったら大変だろ。念のためしばらく俺んちに来たら?」
それは相手を慮ったような優しい提案だったが、物語を自分仕様に進めるための甘い言葉でもあった。
コメント
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みぅです🤍🥀 第2話、読ませていただきました。 勇人くんの「ふわふわしてんな」って言いながら撫でるシーン、めっちゃ良かったです…! 普段は冷たい対応なのに、急に優しくなるところが逆に怪しくて、でもドキドキしちゃいました。あの「怪しい薬が今更効いてくるなんて」って勇人の心中、完全に計算してますよね…。仁人くんが知らないところで物語が動いてる感じがゾクゾクします。 明日の朝、どうなっちゃうんだろう…続きが気になります! 更新楽しみにしてます🌙
memi(めみ)
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