テラーノベル
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仁人はマネージャーに勇人の家まで送ってもらい、エントランスに入ってから言われた部屋番号を押した。
「…いつの間に引っ越したんだよ」
ぼそっとつぶやいていると「はーい」と聞きなれた声がしてドアが開く。
前の家よりも重厚な内装で警備も厳重そうだ。
監視カメラもあちこちにつけられている。
エレベータ前に行くとすでに行先は部屋番号と連携されており、何も押さなくても該当階へ停まる仕組みのようだ。
静かに昇っていく個室から外が見えるが、何ともロマンチックな景色だ。
都会の光がキラキラと輝いて見える。少しまぶしいくらい。
まぶしい…?
仁人の頭にふと嫌な予感がよぎった。
いつもこんなに眩しかったか?
なんだか今日は妙に視界がクリアだ。
遠くまで見える気がする。その分街頭の一つ一つが主張しているように感じた。
「なんだこれ」
チンと目的の階に着いたことを告げる音が響く。
もしかして、と嫌な予感をひしひしと感じながら急いで部屋へ向かった。
「いらっしゃい」
出迎えたのはラフな服に身を包んだ勇人。
この頃は皆忙しくて仕事終わりに会うことなんて滅多にない。
そう言えばこんなんだっけ、と思いながらもそのまま足を中に進めた。
中は夜中らしく少し照明を落としているようで落ち着いた。
「…なぁ勇人、俺、なんか変わってるところある?」
リビングに入り荷物を下ろすなり仁人は勇人に向かって問いかけた。
まるで間抜けな質問だが、それ以外に聞きようもなかった。
「…え、どゆこと?今朝からずっと耳は変わってるけど」
「いや、ま、そだけど…なんかこう…違和感とかない、かな?」
うまく言えずに口ごもる仁人に、勇人は少し胸が高まる。
いつもアレコレ言い返してくるリーダーが弱々しく感じたからだ。
“自分を頼ってくれている”
活動中に自分を頼ってくれることはもちろんあったが、こうやってプライベートで察してほしいという態度を取ることは珍しい。
勇人は今相手が言ってほしいであろう言葉を伝える。
「大丈夫だよ。朝と変わってない」
「ほんと…?よかった」
ほっと胸をなでおろしている可愛い仁人。
大丈夫。何も気にしなくていいよ。
勇人は気づいていた。
自分を見つめる仁人の瞳が、いつもより大きくなっていて、大きな目がさらに印象的になっていたのを。
「なんか食う?ラジオ終わってそのままだろ」
「いや、あんまりお腹すいてない。歯磨きはしたいから洗面台貸して」
いつも以上に周りに気を使っていた仁人は辟易した顔で伝えた。
「あっち進んで右手。ついでにシャワーも浴びたら?服出しといてやるよ」
「マジ、いいの?助かる」
何も疑わず、さんきゅーと言い残して洗面台へと向かう。
その背中を見ながら、これから起こることに勇人は胸を高鳴らせた。
memi(めみ)
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コメント
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みぅです、こんばんは🥀 第3話、読みました…! 仁人の視界が急にクリアになって、違和感に気づき始めるシーン、すごくゾワッときました。目が大きくなってるって勇人が気づいてるのに、あえて言わないところがもう…怖いけど、ドキッとしますね。 「自分を頼ってくれている」って胸を高鳴らせる勇人の心理が、優しさなのか何か別のものなのか、まだわからないからこそ続きが気になる。このじわじわ感、好きです🌙