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#第6回テノコン
#一次創作
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「あ、私家こっちだから、また明日ー!」
『ん、りょーかい。また明日』
そう言って手を振り、さっきまでいた部活友達がこちらに背を向けると同時に私も友達に背を向け自宅へと歩みはじめる。
友達といるのも心地よいが、1人なのもまた別の心地よさがある。
なんとなくオレンジ色に染まった空を見上げていると、
<ニャー
(…猫?)
白猫がこちらを見ていて、奥をよく見てみれば黒猫もこちらを見ている。
なんとなく、白猫にゆっくり近づいてみると白猫は歩き始める。
ついて行ってみると時々こちらを振り返って確認してくるので来て欲しいという意図なのは確実だろう。
黒猫がいる場所に来たかと思えば白猫が止まり、こちらをジーっと見ている。
『?…何これ』
白猫と黒猫の間にある、色のない水晶。
どういった意図なのかわからず目線の行き場がなくなってしまう。
黒猫と白猫も相変わらずこちらをずっと見つめていてなんだか背中が寒く感じる。
後退りすれば、白猫は私が逃げると思ったのか足元に擦り寄い鳴き声をならす。黒猫は相変わらずこちらを見つめている。
(この水晶に何かしてほしいのかな)
そう思い水晶を手に取った瞬間。
吹く風の温度が変わり始めた。
今の季節は夏なはず…なのに
『ここ…どこ?』
いつか間にか、周りが真っ白で綺麗な雪の中に変わっていた。
(待って…私さっきまで半袖着てたよね?)
私の服は半袖の制服からファンタジーにあるような、肘までの茶色マントに赤いマフラー。膝下までのスカートに腰のベルトバッグがついている。靴はどうやら紐付きブーツなようだ。
(カバンの中は…)
『護身用ナイフ…濃い紫色っぽい水晶に…絆創膏に消毒液…包帯の入った治療箱…くらいかな』
待って…
(食べ物なくない?)
恐る恐る周りを見渡す。
『わぁ、綺麗な雪だなぁ』
「戯言を言えるくらい元気なら心配なさそうだな」
『違うよ、現実逃避…って』
背後から声がし、思わずバッと振り返ってしまう。
「おう…反応早いな」
こちらを引いてるような表情をしているがそれどころではない。
『ひ、人?!ここに人?!』
いや…よく見てみれば頭に黒い猫耳のようなものが…尻尾もついている。
「…?、お前もしかして迷子か?」
『はい…お恥ずかしながら』
「…あぁ、そういう…」
『あなたも迷子なんですか?』
「いや?僕はここの案内人…というか管理者って言った方がいいのか?これは」
私、今年の運全部使ったかもしれません。
『よ、良ければ案内してほしいです!!』
「んー…いいが、報酬は貰うぞ?」
『ほ…報酬…』
仕方ない…命の方が大事…
『…いくらですか?』
「そうだな…ここから人里までの距離なら、料金90000だ。」
(たっっっか)
「…もしかしてなんだが、所持金0か?」
(何故わかるんだ、この男)
『はい…ほんとすみません……利子つきでもいいので後払いとかはダメですかね…?』
「ま、基本的にダメだな。だが特別に初回無料ってわけで案内する。次から迷うなよ」
私はじめて神様見たかもしれない。
こんなに神々しいんだ…
「なんか余計なこと考えてないか?」
『いいえ、ナニモ』
軽口をたたきながら私はこの猫青年についていくことを決めた。