積み上がる死体。
香る甘ったるい匂い。
鳴り響く銃声。
これから生きてくこの裏社会は過酷だ。
それなりにいい大学を卒業して、それなりの会社に就職し、それなりの生活を送る。
そんな中途半端な生き方をしていたら、気づけば、45歳。
婚期なんてとっくに逃してた。
だから、虚しさを埋めるために読み始めた小説に沼るのは、さほど、おかしなことではなかったのかもしれない。
主人公〔リカルド・コストナー〕が意地悪な義姉と義母を殺し、裏社会のボスになるために奔走する物語で、今話題となっている、【ノンリミット・ライフ】。
自分には無い、たとえ真っ黒に染められた信念でも、彼にあるのが羨ましくて、ハマってしまった。
「あ〜・・・リカルド様にあいたい!」
今ではすっかり、オタクである。
会えるわけないのだが、推しに会いたいと思ってしまうのは、オタクの性なのだろうか。
「そろそろ寝ようかな」
今日の仕事は中々にハードだったし、深夜まで小説を読んでいたら眠くなってしまった。
もうすぐ、映画化する【ノンリミット・ライフ】
グッズ販売があるかどうかは知らないが、あった時のためにたくさん稼いでおきたい。
明日も頑張ろ。
すぅすぅと寝息を立て始め、眠りに落ちていく。
だが、いつもより深く、暗いことに私が気づく訳もなく。
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