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痛みが段々となくなり始めてきた。
私の股から出てきた物を指でつまみ、よく見てみる。
(なんかどこかで見たことがあるような…)
記憶を辿り思いだした結果、既視感の正体は呪術廻戦で読んだ呪胎九相図だった。
明治時代の転生、呪霊らしき化け物、私が産んだ物。もしかしたら私は九相図の母に成り代わったのかもしれないという考えが頭をよぎる。
だがそれを考えてもキリがない。痛みがなくなり日が昇り始めた今、近くに住む叔母さんのところに相談しに行こう。
家を出て、林の中を数分程歩く。
3軒日本家屋が見えてきた。
私はその1つの格子門戸(日本家屋の扉のこと)に立つ。
「すみません!」
格子門戸が開き、眠そうな叔母さんが出てきた。
「こんな早い時間に何なのさ?」
「昨晩こんなことがあって…」
化け物が両親を殺したことや変な物を産んだことなどを、しどろもどろだが説明した。
「これがアンタから生まれた物?」
「そうです。叔母さんの家に匿ってくれると助かるのですが…」
叔母さんがしばらく黙考する。
「無理だね。こんな気色悪い物を産んだ娘なんてここに置くと祟られる。」
(ひど…)
「家事も仕事も私がやるのでお願いします…!」
「あの山の向こうにあるお寺に行きなさい。」
叔母さんはそう言い残すと、家の中に入り格子門戸を閉じてしまった。
このままだと野垂れ死んでしまう。藁にも縋る思いで山の向こうにあるお寺に行くことにした。
私と両親が住んでいた家に一旦戻り、持てるだけの食料を大きめの巾着袋に入れる。
近くにある大して高くない山を登り始めた。