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ab.side
がちゃっと、玄関の鍵が開く音がした。
「おかえり」そう声をかけるより早く。
mg「ただいま」
少しだけ、間延びした声が返ってくる。
その声だけでわかってしまう。
あ、今日のめめ、甘えんぼだ。
仕事で疲れた人が、あんまり会えなかった日。
たまにこうして、全部の力が抜けたみたいなめめが帰ってくる。
リビングまで歩いてきためめは、俺を見つけた瞬間にふわっと笑った。
「いた。」
その一言が妙にうれしくて笑ってしまう。
「いるよ、おかえり」
mg「うん」
返事はするのに、当の本人はその場から動かない。
じーっと俺をみている。
「どうした?」
そう聞くと、めめは何も言わずに近づいてきた。
そして。
ぎゅう。
「わっ。」
何の前触れもなく抱きしめられる。
mg「……ただいま。」
耳元で小さく言われる。
「うん。」
「おかえり。」
背中をぽんぽんと叩くと、めめは「んー……」と満足そうな声を漏らした。
今日も始まった。
しばらくそのまま動かない。
「めめ?」
mg「……充電中」
「また?」
mg「うん、あと」
少し考えてから。
mg「十分。」
「十分?」
mg「……やっぱ二十分。」
目黒の言葉に思わず笑みが溢れる。
「伸びてるじゃん笑」
mg「だって、足りない。」
mg「今日はいっぱい使ったもん」
何を使ったのかは分からないけれど、多分、心の充電なんだろう。
めめはそのまま肩へ頬を預けて、すり、と少しだけ擦り寄ってきた。
大型犬というより、今日は完全に甘えんぼの猫だ。
mg「ねぇ。」
「ん?」
mg「髪、撫でて。」
珍しくお願いされる。
「いいよ笑」
前髪を整えるように撫でると、めめはすぐに目を細めた。
mg「……それ」
mg「好き。」
「知ってる。」
mg「もっと。」
「はいはい」
何度か繰り返し撫でる。
するとめめは安心したように大きく息をついた。
「今日、疲れた?」
mg「うん、でも」
mg「帰ってきたらあべちゃんいた。」
それだけで元気って。
そんなことをさらっと言うから困る。
「それはうれしいけど」
「言い方がずるい。」
mg「本当だから。」
即答。
こういうときだけ迷いがない。
mg「ね。」
「ん?」
mg「もう一回。」
mg「ぎゅーして」
「今もしてるでしょ。」
mg「もっと」
笑いながら少しだけ抱きしめ返すと、「ちがう」と首を振る。
「めめ?」
mg「もっと。」
mg「ぎゅーって。」
mg「包んで。」
その言い方があまりにもかわいくて、思わず笑ってしまう。
「…そんなお願いされたら断れないよ。」
今度は俺から腕を広げる。
するとめめは嬉しそうに笑って、自分から飛び込んできた。
ぎゅう。
mg「これ」
mg「これがいい。」
耳元で満足そうにつぶやく。
「落ち着く?」
mg「うん、世界一」
「また大げさ。」
mg「ほんと」
mg「ここが一番安心する。」
その言葉に、胸の奥がじんわりあたたかくなる。
背中をゆっくりさすると、めめはもうほとんど力が抜けていた。
「ごはんどうする?」
mg「あとで。」
「お風呂は?」
mg「あとで。」
「全部あとで?」
mg「うん、今は」
少しだけ腕に力が入る。
mg「帰ってきたって実感したい。」
その一言で、全部分かった。
仕事を頑張って、外では気を張って。
ようやく家に帰ってきて、安心して力を抜いているんだ。
「お疲れさま。」
そう言って頭をぽんぽんと撫でる。
めめは小さく「ん」と返事をして、また肩へ頬を寄せた。
mg「今日はいっぱい甘えていい?」
「もちろん。」
mg「何回でもぎゅーしていい?」
「何回でも。」
mg「途中で嫌にならない?」
思わず笑ってしまう。
「ならない。」
「めめが満足するまで付き合う。」
その返事を聞いた瞬間。
めめは子どもみたいに嬉しそうに笑って、ぎゅっと抱きしめる腕にもう一度だけ力を込めた。
そして、ゆっくり、唇に触れる。
目黒のあったかい体温が、唇から体全体に。
じわーっと広がっていくような気がする。
何回も何回も。
離れても、もう一回口付けて。
息ができなくなっても、それがまた嬉しい。
キスして、重なり合ってるだけで。
こんなにも、幸せで安心するんだもん。
こういう日は。
ごはんが少し遅くなっても。
洗い物が後回しになっても。
全部、あとでいい。
この人が安心しきった顔で「ただいま」って甘えてくれる時間は、きっと何より大切だから。
そう思いながら、俺はもう一度、優しく背中を撫で続けた。
fin
コメント
5件

うー最高😆 甘えん坊 とことん甘える 忙しすぎたら発揮するんだね。 何も言わないでとにかく甘えさしてあげる 2人の関係素敵💓

甘えん坊モードの🖤可愛いすぎる😭それを何も言わずに受け入れる 💚最っ高すぎる"(∩>ω<∩)"
#Snow Man
junp_Sn-Fk.
1,459
#SnowManBL