甲斐Side
〇月〇日。
祐希さんがイタリアへ出発した。新たなシーズンに向けて‥。
今思うと色んなメディアの仕事をこなし、慌ただしい中での出発だった。
見送りには行けなかったが‥祐希さんならきっと新天地でもバレーボールを極めてくれる‥そう思っていた。
それから数ヶ月後‥
暫し‥オフタイムに入るということで、代表が集まる食事会に参加する事になった。
ほとんどいつものメンバー。その中に‥藍さんもいた。今、思えば‥から元気のような‥無理に笑って盛り上げていたような気がする。
強くもないのにお酒をハイペースで呑んでいる姿に危機感を覚えたが‥
案の定、酔っ払い‥途中からはほとんど眠っていた。
あんなに藍さんに酒を勧めて一緒に騒いでいた先輩達も‥いざ、帰るとなると‥どうするかで悩んでいる。
そして‥‥‥
「あっ、甲斐!お前、藍送ってくれる?」
「えっ、僕がですか?」
近くで介抱していたせいなのか‥そんな僕を見て、後はよろしく!と各々帰宅してしまい‥そのまま藍さんを僕が送る事になってしまった。
移動中も藍さんはすやすやと眠り続けていたが‥
「藍さん、着きましたよ‥わっ!」
着いた瞬間に藍さんが前のめりに倒れ込む。寸前のところで支えたため、頭を打つことはなかったが‥
何とか、靴と上着を脱がし‥リビングのソファーへと寝かしつける。
はぁ‥疲れた。
タクシーに乗る前に購入していた水をぐっと流し込む。
ふっと一息つくと‥改めてリビングの内装をマジマジと見つめる‥訪れるのは2回目だった。確かあのときは‥
「ん‥‥」
ソファーで眠る藍さんが寝返りを打つ‥大きいソファーで落ちることはないだろうが‥気になりそばにいることにした。ストッパーの役目になれればと‥
頰を赤らめてすやすやと眠る藍さんの横顔に惹かれ‥食い入るように見つめてしまう。
代表で会ったときから‥密かに想いを寄せていた。でも、風の噂で藍さんには恋人がいるんじゃないかと聞いていたから‥
この想いは伝えないでいようと決めていた‥
のに‥‥‥
目の前で無防備に眠る藍さんを見ていたら‥
秘めていた想いが溢れ出す。
‥ごめんなさい‥
心で何度も謝りながら‥
そっと眠る藍さんの唇にキスをした‥。
はじめて交わすキスは‥アルコールの匂いがして‥。 ぷにっと柔らかい唇の感触にもう少しだけと欲が出てしまい‥思わず下唇を軽く噛んでしまう‥
その時‥
「‥んっ!?」
寝ていたはずの唇が唐突に開き、口腔内に舌を差し込まれ‥予期せぬ事に頭が追いつかない。
それでも、深く舌を入れられ弄られると‥否応なしに身体の熱が高まりだすのを感じた‥。
一瞬藍さんを止めようとしたが‥思い留まり、
されるがままに身を委ねる。
ようやく離れた時‥表情を見ると目は焦点の合っていない様子でボーッとしていて‥
「ゆうき‥会いたかった‥」
と一言呟くと‥縋るように僕に抱きついてきた。
胸に顔を埋め、スリスリと頬ずりをする。
(ゆうき?今‥ゆうきって言った?)
疑問に思いながらも、抱きついてきた藍さんが愛おしくて‥ふと髪を撫でるように触る。
「‥もっと‥して‥」
さらに嬉しそうに僕に身体を寄せる‥そして、気がつくと‥
抱きつきながら‥藍さんは泣いていた。
(‥‥僕を恋人だと勘違いしているんだろうか‥)
でも、それならどうして泣いているんだろう‥
ゆうきと呼んでいた‥
まさか‥
でも僕の思惑は次の言葉で確信へと変わる‥
「イタ‥ア‥行かな‥で‥」
うわ言のように呟く‥。
そうか‥
藍さんの恋人は‥‥。
放心していた事もあり、暫くは藍さんの思うようにさせていた。
抱きつき縋る姿は‥庇護欲を掻き立て‥思わず抱き寄せてしまう。
目尻に溜まる涙をそっと拭うと‥
その行為でまた藍さんがキスをせがむ。祐希さんじゃないよ‥そう思いつつ受け入れてしまう自分がいた‥。
情熱的なキスをされ、身体の奥深くから湧き起こる性欲を抑えるのに必死になる‥。
それもそのはず‥さっきから僕の身体に抱きついてくる藍さん自身がすでに熱く屹立していて‥無意識の行動なのか、懸命にそれを押し当てようと腰を動かしている。‥快感を得ようとする淫らな姿に理性が飛びそうになる。
「‥さわって‥おねがい」
耳元で上擦った声で囁かれる‥。全身に電流が走ったような衝撃を受け‥言われるがままに屹立している部分を触る‥が‥
「やっ‥こっち‥がいい」
誘導されるように手を引かれ導かれたのは‥程よく締まった形のいい双璧の最奥の部分だった。
「えっ‥」
初めての経験に戸惑う。どうすればいいのかわからず‥とりあえずズボンと下着を脱がせ‥そっと入り口を撫でるように触ると、ブルッと藍さんの身体が震えた。
そのまま挿れてもいいのだろうか‥痛くないかな‥等と思案していると、
「は‥やく‥」
切なげな声が漏れ、慌てて近くに何かないか代用品を探す。
あっ‥‥‥‥そうだ‥。
リビングから急ぎキッチンへと向かい‥持ってきたのは‥オリーブオイル。
確か使えるって以前飲み会の席で猥談をしていた先輩が話していたのを思い出したから‥。
‥ツプッ。
オイルの滑りもあり‥ゆっくりと指を内部に差し込む。
顔の表情を確認しながら、上下に動かし‥次第に本数を増やしていく。
「ん‥藍さんの中‥あったかい‥」
指が溶けそう‥。
もっと深くで味わいたくなり‥藍さんを自分の膝の上に乗せ‥向き合う体勢に‥
藍さんも感じているのか、自ら腰を動かしている。切なげな吐息が俺の耳を甘く犯す。
指を動かすたびに卑猥な音が響き渡り、気がつくと夢中で腰を揺する彼の中心部分にも手を伸ばし刺激を施していた。何度も上下に扱く‥すると、
「やぁ‥も‥イク‥」
体を震わせ僕にしがみつきながら果てた後‥そのまま後ろのソファーへと倒れ込んでしまう‥
はぁはぁと息が上がり、自らの腹部に白濁が飛び散り‥乱れる様は‥
僕の理性を奪うには充分すぎた‥。
白い足を両手で掴み左右に開かせると、先程まで愛撫していた秘部を凝視する。薄いピンク色のその部分に触れるとよく解れていて柔らかい‥。
本能が騒ぐ‥。
ここに挿れたい‥
掻き回したい‥。
でも‥‥‥‥
藍さんには恋人がいる‥
それも‥‥
祐希さんだ‥‥‥。
このまま抱いていいわけがない‥。
こんな寸前で思い留まってしまう自分に嫌気がさすが‥かと言って‥前に進む事も出来ない‥
俯き‥疼く自分自身をおさめようと深呼吸をする‥
その時‥
「ゆう‥き、す‥き」
‥酔い潰れた藍さんが、祐希さんだと勘違いしたまま‥ねだるように僕の頰をペロっと舐める。
そして、さらに‥ズボン越しに僕自身を擦りながら‥その上に秘部を押し当て催促する。
‥淫らだった
この上なく淫らで妖艶な姿に‥
抗うすべを失う‥
ただ貪欲に‥
自らの欲望を‥
愛しい彼の最奥に突き立てる事しか考えられない。
もう‥
後戻りなど出来る訳もないのに‥。
コメント
3件
コメント失礼します☺️ 藍くん甲斐くんの事祐希さんと勘違いしているけど大丈夫なのかと思いながらでも会えないから悲しい気持ちが伝わってきて分かる感じもしながら読んでいました♪祐希さん早く藍くんに会いに行って欲しいですね☺️ 今回のお話も最高でした😊これからも頑張ってください♪ ゆうらんさん応援してます📣