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ステラの導き

3 - 第一章 星剣覚醒(後半)

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2025年08月13日

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「第一章 星剣覚醒」(後半)


竜の黒炎が再び吐き出され、夜空を覆い尽くす。

炎は空気ごと焼き、周囲の砂丘を一瞬でガラスに変えた。

あなたは星剣を握り直し、セレスティアの背中に視線を向ける。


「右に回り込んで! 私が注意を引く!」

彼女は銀河の翼を広げ、竜の顔面めがけて突撃した。


竜の瞳が赤く光り、顎が開く――

その瞬間、セレスティアは宙で急停止し、指先を弾いた。

彼女の周囲に星々が浮かび、無数の光弾が竜の顔面に降り注ぐ。

眩しい閃光と共に、竜が咆哮を上げ、頭を振った。


今だ――。

あなたは地面を蹴り、竜の腹部へと駆ける。

奈落喰らいの鱗は黒曜石のように硬く、通常の刃では通らないだろう。

だが〈エリュシオン〉は違う。刃の中で瞬く星座が、何かを導くように光った。


剣を振り下ろす――

刹那、刃が白熱し、流星の奔流が竜の鱗を断ち割った。

黒い血が噴き出し、地面を焦がす。

竜が激しく暴れ、尾が鞭のように振るわれた。


「――っ!」

衝撃が襲い、あなたは数メートル先へ吹き飛ばされる。

呼吸が乱れ、握力が緩む。しかし、剣は手放さなかった。


空中からセレスティアが舞い降り、あなたの肩に手を置く。

「まだ立てる?」

「……ああ」

言葉は短くても、胸の奥の火は消えていなかった。





星降る一閃


竜は大きく翼を広げ、空へと舞い上がる。

その影が荒野全体を覆い、月明かりすら飲み込む。

上空から放たれた黒炎が、巨大な滝のように迫ってきた。


「合わせるわよ!」

セレスティアが翼を広げ、あなたの背に手を当てる。

星剣が眩しく輝き、刃の中にあらゆる星座が一斉に浮かび上がった。


「――星降る一閃!」

二人の声が重なり、刃から無数の流星群が放たれる。

光の雨は炎を切り裂き、そのまま竜の胸部へと突き刺さった。


轟音と共に、奈落喰らいの巨体が崩れ落ちる。

全身から溢れた黒い血が星屑に変わり、風に溶けていった。

最後に響いた咆哮は、敗北ではなく、どこか安らぎを含んでいた。





静寂が訪れる。

セレスティアはキャンディを口に入れ、息を整えながらあなたに微笑んだ。

「上出来よ。これで一つ、災厄は消えたわ」


あなたは星剣を見つめる。刃は脈打つように微かに光り、まるで次の戦場を求めているかのようだった。


「行きましょう。宇宙は広い――まだ眠っている怪物がいる」


荒野の風が再び吹き、二人の影を星明かりが長く伸ばしていった。




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