瑞希side
司先輩のあんな顔を見たのは初めてだった。
どうしてそんな顔をしてるのか聞きたかったけど
聞いてはいけないような
そんな感じがした。
「ねぇ、あのさ…」
杏が口を開いた。
「授業、やばいんじゃないの?」
「「「「あ」」」」
「え?皆忘れたの?!」
「やべぇ…忘れてた…。」
「彰人、しょうがないだろう。司先輩がこのような状態なんだから。司先輩の方が大事だろう?」
そう言いながら冬弥くんも額に汗をかいていた。
あーあ。ボクも補習だったのにな〜。あの鬼に怒られちゃうよ〜。ま、いっか!司先輩の方が大事大事!
「ま、いいでしょ!午後サボってもバレないよ!司先輩の方が大事でしょ?」
ボクがそう言うと
「そうだね〜、てかそれ瑞希が言う?」
すかさず杏が突っ込んだ
「あはは…、でも杏もそう思うでしょ?もちろん弟くんも冬弥くんも!」
「ああ、そうだな。」
「もちろんだ。てか弟くんって言うな!」
「当たり前でしょ!」
そんな会話をしてたらいつの間にかカフェに着いてた。
ボクさ、気づいちゃったんだけど…
めっっちゃ悪目立ちしてない?
だって昼間から高校生5人が歩いてるんだよ?
しかもなんかジロジロ見られてたし…ほんと失礼だよね〜。
「あのさ〜…」
「なんだ?暁山?」
「今からボクん家来ない?」
「なんでだ?」
ええ…?気づいてないの?あんな見られてたら落ち着いて司先輩が話せないじゃん
「いや〜、カフェだと人がいるから司先輩がリラックス出来ないと思うんだよね…ボクの家なら家族もいないしちょうどいいかな〜って思ってりして…。司先輩はどう思う?」
司先輩に目を向けた
小さく頷いてくれた。
これはいいよってことだよね?
「司先輩がいいってことで早速行こう!!」
「えぇ?!展開が早すぎるって瑞希〜!」
「司先輩頷いてくれたもーん!!」
_____________________
司side
暁山はいつもより騒がしいな…。
でも、心地いい騒がしさだ。
コメント
2件
神作。こうゆう系の話大好きです。面白かったです。続きも楽しみに待ってます。