廃墟と化したビルを照らすのは何億年も前から降り注ぐ”元・生命の光”。文明を築き上げ生命をもたらせたその光が生命を脅かす”死の光”と成り果ててから幾年の月日が経った。
生命の痕跡がとっくのとうに消え去った田舎街も、最後まで運命に抗い続けた都会も等しく緑に侵食されていく。
さて、今日はどうやって暇を潰そうか
その思いに耽るのは、人の形して人ならざる者。
両袖の長さが対称的な紫色の羽織物に身を纏い、同じく長さの異なる丈の白色ズボンを履く。胸元に巻かれているのはサラシか、はたまた包帯か。
そんな彼に名は無い。
unknownと名付けた研究者も今やこの世界に蔓延る緑の養分と成り果ててしまった。
今、彼に名を与えるとするならば神々はこう呼ぶだろう。
世界を看取りし者──終末世界ノ管理人、と。
To be continued____.
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