なぜオルパダンが襲われたかというとそれはオルパダンが、「ある野望」を持っていたから。
実はオルパダン。襲われる前、よく親元を離れたばかりのオスと親しくしたりしていました。オルパダンはタノボラのリーダーですが、そんなことはお構い無しで親しくしていたのです。だから、メンバーはオルパダンを「敵」とみなし、攻撃をしたのです。群れのリーダーが別のオスと群れを作ればタノボラに大ダメージを受けかねないのです。弱いオルニョクならいいかもしれないが、オルパダンはずば抜けた度胸と力をもっているのです。
瀕死の重傷を負ったオルパダンですが、生きるためには狩りをして獲物を捕まえなければいけません。頼りだった群れ、タノボラはもういません。この先、オルパダンが生きるためにはオルパダン自身が頑張るしかないのです。案の定、獲物が直ぐ側にいても気づかれてしまい、逃げられてしまします。メスのチーターと出会っても、隠れるようにコソコソと引き返してしまうほどです。あのころの度胸あるオルパダンとは違って、おどおどして怯えているようでした。オルパダンが健康であれば興味を持って近づくはずですが、怪我をしたことでメスのチーターでさえ怖がってしまったのです。
そんなある日、オルパダンの前にシマウマとヌーの群れが現れました。今の体と人数ではとても太刀打ちできなそうな相手ですが、オルパダンは狙いを定めました。傷ついた目がシュッと細まりました。最初はいかにも興味がなさそうに逆方向を見ながらゆっくり近づいていきましたが、突如、スピードを上げました。自分の姿を少しも隠そうとしなかったため、シマウマたちは一斉に逃走。
しかし、オルパダンは獲物を仕留めていました。一気に走り出したことで大人を混乱させ、か弱い子供を孤立させ、襲う戦略だったのです。怪我をして右目もほとんど見えていないハンデの中で野生で生きるために生み出した戦略だったのです。
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