死ぬまであとちょいって言われたはいいけど、どうしたことか…。
特にやりたいこともないし、チーム作ろうとしてももう間に合わないだろうし…。
手持ちの金もない。
こんなとき、やりたいってことがすぐに浮かばない。
あるあるだよな、多分。
…そんなことを思って二週間。
動けるうちにいろいろやっておくべきだった。
「暇ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」
うるせー、というハル兄の声をよそに叫んだ。
もう、体が重くて足がジブンを支えきれないらしい。
かなり伸びてきた植物共。
髪には葉がたくさんあるし、動いただけでそこが植物園と化す。
それに3日前、ハル兄に指摘されて分かったけど、色素も抜けてきたようだ。
あと4日もないか…。最期がこんな暇とは思いもしなかった。
ジブンが死んだらどうなるんだろうか。
そっと、ジブンの両耳に手を当てる。
静かな場所だろうという予想で、勝手にイメトレ的なのをする。
目を瞑ったら、外に景色が見える気がした。
海に潜ろうか、山の頂上に行こうか、街を回って好きなものを食べようか…。
ありきたりなものだけど、楽しいことをいっぱい想像した。
というか、それ以外やることが無かった。
イメトレも飽きた頃、心地よい眠気がジブンを誘う。
抗うこともせず、ジブンはそれに従ってゆっくりと眠りに落ちた。
昼寝もいいもんだなと思いながら、少し和んだ。
~春千夜視点~
…間に合わなかった。
青空の中にある太陽の光が、俺を皮肉っている気がした。
多分、身内間で噂は瞬く間に広がるだろう。
病気は拡散の恐れがあるために、葬式にも出せないそうだ。
…アイツが死んでから、少し部屋を片付けた。
そして、そこで見つけた、薬の袋。
一個も減っていないけど、開けたことから、多分縋ってみようとしてやめたんだろう。
あの後、自分なりに情報をいろいろ当たって調べたが、成人まで生き残る例はないらしい。
…俺の、せいじゃないはずだ。
言いきりたいけど言い切れない現実が、少し辛かった。
コメント
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ノベルできんからスゴすぎる、 あ”~やっぱ神やな
ノベル上手すぎて尊敬します✨ 続き待ってます!