大丈夫、大丈夫2

そんなこんなで撮影も終盤にさしかかり、現場にも阿吽の呼吸ができて雰囲気が変わってきた。

辛い期間こそ阿部ちゃんに傍にいて欲しかったけど、そうして寄りかかりすぎた結果が今回のこれだ。

事情を知っていて、かつ適度な距離感を保てるメンバーと過ごして少しずつ発散できるのは本当にありがたく、こうしていれば良かったんだと思えるようになった。

また全員での収録の時、岩本くんに

🖤「阿部ちゃんに会いたい」

と相談すると、入ってきたばかりのところを呼んでくれた。

いきなり家で2人より、まず他の人の目がある所で一緒に過ごせと。

💚「俺、まためめの隣に行ける？」

💛「とりあえずな。なんかおかしかったらすぐ周りに言って」

💚「わかった」

特等席のソファに2人で座る。

🖤「…ちょっと痩せた？」

💚「え、そう？康二や舘さんに結構食べさせられてたんだけどな。でも、めめも痩せたね」

🖤「ほんと？俺も自覚ない。俺が悪かったんだけど…阿部ちゃんに会えなかったら、痩せもするよ」

💚「それ、俺もだから」

メンバーが次々と気配を消し始め話を聞かないようにしてくれているのが空気で感じ取れるが、康二と佐久間くんがそれはそれはソワソワしているのも伝わってきて可笑しい。

🖤「俺のこと……嫌いにならなかった？」

💚「ならないよ、大丈夫。めめあの時すごい顔してたもん、相当だったんだなって」

🖤「そんな優しい事言わないで、俺阿部ちゃんに甘えすぎた。でも…早く会いたかった」

💚「ん、俺も」

触ってもいい？と聞くと、阿部ちゃんは『もちろん』と自分から俺を抱きしめてくれた。

🖤「やばい、泣きそう」

💚「ふふ、あったかいね」

🖤「阿部ちゃん、酷いことしてごめんなさい」

💚「もう終わったことだから。大丈夫大丈夫」

俺のメイクの順番が回ってきてたらしいけど、知らない間に後回しになっていた。

終