突然そんな事言われても信じられる訳ないよ…。
でも、不思議と葵さんが嘘をついてるとは思えない】
【今、私は放課後の教室で、この日記を書いています。
もしかしたら、これが最後になるかもしれません。
今日、帰りのホームルームが終わると体育倉庫の前で葵さんと会って話をしました。
そこで葵さんに、この前のメールの内容と同じ事を言われました。
私は、一体誰を助けようとするのかを葵さんに聞いてみると…‥
葵さんは私の耳元で“紺野瑛太さんです”と答えました。
そして次に、いつ起こるのかを聞くと、葵さんは戸惑いながら“今日”と答えました。
私は、ただ呆然としていました。
そして急に死の恐怖に襲われました。
体の震えが止まらない…‥
まだ、死にたくない…‥
死にたくないよ…‥
葵さんは“私の言う通りにしていれば大丈夫”だと断言してくれました。
1番いい方法は、学校が終わってから紺野くんと会わない事だと言われました。
でも、葵さんに会ってから少し経って、紺野くんからメールが届きました。
《18時に駅で待ってる。どうしても話しておきたい事がある》
だから…私はこれから駅に向かいます。
紺野くんに会いに行きます。
最後になるかもしれないので、私の将来の夢を書いて、筆を置こうと思います。
私の夢は世界で1番大好きな紺野くんと結婚して…‥
ご飯を作ってあげたり、掃除洗濯など身の回りの事を全てしてあげる事です。
また、一緒にテレビを見たり…‥
お買い物に行ったり…‥
旅行をしたり…‥
いつでもどこでも傍にいる事です。
そして数年後には、私とその人の子供が生まれて暖かい家庭を築く事…‥
こんな所でしょうか。
もう叶わないかもしれないけど、世界で1番大好きな人を助ける為に、今会いに行こうと思います】
これが最後の日記だった。
この最後の日記は僕に向けて書いた遺書のようにも見てとれた。
それに…この日記から仲村さんの僕に対する想いの深さと、僕との関係、今までどのように接して来たのかを知る事が出来た。
そして僕は、涙で滲んでしまった日記を胸に強く抱きしめた。
まるで仲村さんを抱きしめるかのように…。
どうして僕は、仲村さんの気持ちに気付いてあげられなかったのだろう?
こんなに僕を愛してくれているのに…。
これほど誰かに愛されるなんて事は、人の一生であるかないかなのに…。
それなのに…‥
でも、日記を読んでいて感じた事があった。
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