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「あー!!」
いつも通り太智と舜太と3人で昼飯を食べていたら、急に叫び声が正面から聞こえてくる。あまりにうるさかったので反射的に手元にあった保冷剤を発声源に投げつけた。
「太ちゃん、ちょーっと静かにしよなー?」
クラス中の視線がこちらに向いている。保冷剤を顔面に食らった太智は、気にする様子もなく舜太の注意をフル無視してリュックをガサガサと漁っている
「なに?なんかあんの」
バンっと音を立てて机に叩きつけられのはクッシャクシャの紙。そこには大きく『新入生歓迎会』の文字
「なんこれ」
「今度ダンス部が新入生歓迎会やんねん。やからぁ2人にも見に来てほしいなぁて思って」
「えー!行きたい!な、はやちゃんも行くやんな?」
「いや、俺は別に…」
「んじゃきまり!絶対来てな!」
「楽しみにしてるわー」
「おい、俺の意見は」
1週間後
「発表会今日やからな!忘れんなよぉー」
朝からドタドタと音をたてて教室に飛び込んできたかと思うとそれだけ言って自分の教室に戻っていった。と思ったら、空いてる窓から顔を出して
「絶対やからな〜!」
満面の笑みで叫ばれる。窓際に座ってた子がびっくりしてんだろやめてやれ。
「なんなんあいつ」
「ええやんか。俺は楽しみやで」
「舜太はなんでも楽しいだろ。能天気だから」
「ん?わるぐち?」
「さあ」
「ひっどー」
「まぁでも、はやちゃんより成績は良いからな〜」
「次の中間ぜってー舜太よりいい点取ってやるよ」
「はやちゃん前回もおんないこと言うてたよ」
放課後、体育館に向かって歩いていると、前方に見知った背中が見えた
「柔おるやん」
「あれ、はやちゃんと舜太も体育館行くの?」
「太智が来いって言うから仕方なく。柔太朗は?」
「おれは幼馴染に誘われて」
「幼馴染?柔にそんな子おったん」
「言ってなかったっけ。太ちゃんとクラスも部活も一緒なのよ」
3人で話しながら歩いているとそんなこんなで体育館に到着。いざ入ってみると想像以上の人の量。しかもその過半数が女子で溢れていた
「なにこの人の量」
「そりゃあの2人が出るんだから。みんな見に来るよねー」
「ふたり?」
「だれのこと?」
舜太と二人頭にハテナを浮かべていると、証明が落ちステージにスポットライトが当たる
「まぁ見ててよ、絶対びっくりするから」
なんでお前が得意気なんだよって思ったけど、ステージに太智と二人で立っている人物を見たらそんなことどうでもよくなって。顔は俯いていて見えないけど、でもわかる。桜の木の下いた、あの子だ。柔太朗の言ってたことがなんとなく、わかる気がする。ただの体育館の照明ってだけなのに、まるでライブ会場当みたいに2人のいる場所だけがすごくキラキラして見えた。それから2人が踊り終わってはけるまで、ステージの上から目が離せなかった。舜太が隣からなんか言ってるけどなんも聞こえないし、どうせくだらない。2人がはける直前に少しだけ目があった気がした。
「太ちゃんおつかれー!」
「どやった?俺らのダンス、かっこよかったやろぉ」
「めちゃめちゃかっこよかった!隣で踊っとる子もめっちゃ上手かった!」
「せやろー今日2人に見せたかった本命の子やから」
「なぁ太智。いま柔太朗の隣にいる子だよな」
「そうそう!」
「なんていうの、名前」
「なにーはやちゃん、惚れてもたぁ?」
「…」
「え、なにその間」
「あー!思い出した!どっかで見たことあると思ったねん。こないだはやちゃん見つめてた子やん!」
「うるせぇぞ舜太!」
「はやとにも春が!」
「太智おまえもうるせぇ!」
「あの…」
「「「あ」」」
「ごめんなさい、話してる途中に。なんか、柔太朗が行ってこいって」
いやなにしてんだあいつ。なんでそんなドヤ顔なんだよふざけんな。なにを喋れって言うんだ。てか、めっちゃ目綺麗じゃん
「あの、何もないなら俺帰ろうと思うんですけど」
「ほらはやちゃん、なんて言うの?」
「待ってるでー」
「いや、あの…名前」
「名前?あーじんとって言います。よしだじんと」
「じんと…」
「会話止まってしもとるよ」
「はやとって案外奥手なんやな」
周りでごちゃごちゃ好き勝手言いやがってこいつら。俺だってやるときゃやるんだ
「あの、明日。一緒に昼食べませんか」
「お昼?いいけど、じゃあ柔太朗にも言っときます」
「あ、うん。お願い」
「じゃあ、また明日」
「うん、明日」
「はやちゃんって」
「なんか喋ってみろぶっとばすぞ」
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#はやと