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「皿洗い終わった。直美、自分の用意してええぞ。俺、洗濯乾燥機回すわ。日焼け止め、しっかりと塗って。今日は直美の肌にダメージが出そうな天気や」
「あ……ありがとう。お化粧を触る前に、お弁当、先に詰めるね」
洗い物の終わっているキッチンで、お弁当を詰めながら
「暑くなりそうやけど、雨の心配がないのが一番いいね」
と、洗面所で洗濯乾燥機に洗濯物を入れる夫に言う。
ここだけ切り取れば、本当にいい夫だ……24時間、これだけを見ていたい。
「直美、日傘は?」
「保護者席で邪魔かなと思って。この帽子で大丈夫」
「あかん。とりあえず、行き帰り、日傘差せ。荷物は俺が全部持つから。サングラスもな。目からの紫外線も体に悪いし、他の男に直美の顔を見せてやることないから」
「…………」
帽子、サングラス、日傘……どこの大物女優かと思うような恰好で、歩く私。
家族分のお弁当と飲み物、シートなど大荷物を持って歩く夫。
「ほんと、いい旦那さんよね」
と……一緒に学校へ向かう風子さんが、また私に言う。
そうなるのよね……でも……
「風子さんも……ご主人の方がやっぱり大荷物ですし……」
「あの人の荷物の半分は、カメラだから」
呆れた声で答えることなのかな?
私はそう思いながら、小学生になった亜優の初めての運動会にワクワクしていた。